カルヴァドス蒸留所巡りのため、フランス北西部ノルマンディーの小さな町「ポンレヴェック」を訪れたとき、偶然見つけたのが「Le Berbere」というレストラン。なんと、ここではアイリッシュコーヒーを提供していました!
ここはポンレヴェックの中心地ともいえる場所で、滞在予定のホテルのすぐ近くにあり、店先のメニューに「アイリッシュコーヒー」の文字を発見。お店の雰囲気もいい感じだったので、これはもう行くしかない!と思い、さっそく足を踏み入れました。
ちなみに、ノルマンディーでは「カフェ・カルヴァ」という、エスプレッソにカルヴァドスを入れた飲み物が定番らしいのですが、今回の旅では一度も出会えず…。ここにもなくてちょっとガッカリ。どこで飲めるのか、いまだに謎です。
それはさておき、「Le Berbere」ですが、外観はどこかビストロ兼カフェっぽくて、気軽なフレンチを楽しめるのかと思いきや、実はモロッコ・地中海・中近東の料理を提供するレストランだったんです!意外な展開にちょっとびっくり。
店内は地元の人たちで賑わっていて、とにかく活気があります。インテリアも独特で、「これ、魔法のランプがあっても全然おかしくないよね!」みたいな雰囲気(笑)。ちょっと非日常感があって面白かったです。
「せっかくフランスに来たのだから、ビストロでおしゃれフレンチ!」という気分は一瞬で消え去り、代わりに「ここでどんな料理とアイリッシュコーヒーが出てくるんだろう?」と期待にワクワク。
ただ、カルヴァドスを買う予算も考えて、頼むのは控えめにすることに。チキンとクスクス、それにサラダがワンプレートになったものをチョイスしました。
あっさりした味付けで、ヘルシーな感じ。お値段はざっくり2,500円くらい。「うーん、ちょっと高いな…」とは思いつつ、まあ許容範囲内。
そしてお待ちかねのアイリッシュコーヒー!ででん!
…あれ?グラスの底に何かたまってる?
思い返せば、パリの「ラ・ロトンド」で飲んだアイリッシュコーヒーは、底にウイスキー(ジェムソン)がこれでもかってくらい入ってたんですが、ここ「ル・ベルベル」では粘り気のあるシロップがたまっていますw
シロップが濃厚すぎて、コーヒーと全然混ざり合っていないように見えましたが、実際はシロップがかなり溶け出しているようで、ひと口飲むと強い甘みを感じます。
そして生クリームは、スプレー缶から出てきたもので、少しお手軽感も。ただ、なんだかそれがまた面白いアクセントに。
使われているウイスキーは、アイリッシュウイスキーではなく、「ウィリアム・ピール(William Peel)」というスコッチのブレンデッドウイスキー。日本ではあまり見かけませんが、フランスで広く流通しているウイスキーで、フランスでブレンド・ボトリングされているんだとか。
甘みも強烈ですが、アルコール感もなかなかに強いこのアイリッシュコーヒー。(厳密に言うと、アイリッシュウイスキーではなく、スコッチウイスキーを使っているので「ゲーリックコーヒー」ですね。)
その強烈な個性は、飲んだ後もしっかりと印象に残りました(笑)。
これがフランス・ノルマンディー流なのか!?
ポンレヴェックの一風変わったアイリッシュコーヒー。異国情緒溢れるこの一杯、普段日本で目にするアイリッシュコーヒーとは少し違って、思わず顔がほころんでしまうほどのユニークさがありました。
もし立ち寄るチャンスがあったら、ぜひ挑戦してみてください。普段飲んでいるものとはひと味違う、強烈な個性を持ったこの一杯は、記憶にしっかりと刻まれること間違いなしですw