鰻屋がひしめく町、成田。内陸の町がなぜ鰻タウンになったのか、考えてみると不思議です。江戸の頃の印旛沼や利根川は今よりずっと広かったそうなので、そのころの成田は、鰻の産地が近かったのかもしれません。
あとはやはり、新勝寺の存在は大きいでしょう。
参詣客という需要。駅から総門まで、およそ800mの一本道。店先で鰻を捌き、焼いてみせる店が続くのは、なんとも独特の雰囲気があります。参拝が目的だったことを、つい忘れそうになる道です。
新勝寺とその界隈の、あの日本的な空気…。近くに鰻屋があってほしいと思わせる何かがあります。
総門の近くには老舗が並びますが、一風変わった鰻屋もあります。
今回紹介するのは、アイリッシュコーヒーを提供する鰻屋「上町菊屋」です。

「菊屋」は創業300年とも云われる、歴史ある鰻屋です。
今回取り上げる「上町菊屋」は、本店「菊屋」とほど近い場所に建てられた、2022年6月15日創業の新しいお店です。
和洋折衷をコンセプトとしているようで、たしかに店内は洋のニュアンスがかなり感じられる内装になっています。
入口にはビアサーバーや洋酒が並ぶバーカウンター、そして鏡面仕上げの壁には、大きく「愛蘭酒珈琲」の文字。

「愛蘭酒珈琲」と描いて、アイリッシュコーヒーと読ませるそうです。
なぜ鰻屋がアイリッシュコーヒー?と思う方もいるかもしれませんが、鰻の甘みあるタレとアイリッシュコーヒーは意外にあいそう。
外国人観光客をターゲットにしているのかもしれません。ちなみに、私の友人(自称日本通のオーストラリア人)はうな重にはコーラがあうと言っていました笑。生粋の日本人からすると邪道とも思えるペアリングですが…。
なにはともあれ、鰻を食すのと併せて、洋酒も楽しめる場所って、面白いですよね。
アイリッシュコーヒー ¥650

ウイスキーがズラっと並んだカウンターの端には、ウナギの模型(?)が飾ってありました。
これがまた、けっこうリアルにできている…。

カウンターにはウナギの模型だけではなく、アイリッシュコーヒーに使用されるアイリッシュウイスキーのほか、ワイルドターキーやメーカーズマークといったバーボンや、シーバスリーガルといったブレンデッドスコッチなどなど。バラエティ豊かなウイスキーが揃います。
これらウイスキーたちは、ストレートでもロックはもちろん、コーヒーと組み合わせたカクテルにも使われます。

驚くべきは、なんといってもアイリッシュコーヒーのバラエティの豊かさ!
下にあるのは、アイリッシュコーヒーのメニューです。
なんと見開きで2ページも!

アイリッシュコーヒーのウイスキーはカネマラ、タラモアデュー、ジェムソン、ブッシュミルズの4種類。
カネマラをアイリッシュコーヒーに使うとは!と個人的に少し驚きでした。
当ブログの読者の皆さまにはご存じの方も多いと思いますが、カネマラはアイリッシュウイスキーには珍しく、2回蒸留で造られるピーテッドタイプのアイリッシュウイスキー。
カネマラでアイリッシュコーヒーを美味しくつくるには、少しコツがいります。(アイリッシュコーヒーにカネマラを使っているお店には、これまで3軒でしか出会ったことがありません。)
また、ジャパニーズウイスキーやバーボンをベースに使ったアイリッシュコーヒーの亜種ともいえる「番外編」も多数!
ちなみに、アイリッシュコーヒーのベースをアイリッシュウイスキーからバーボンに替えると、「ケンタッキーコーヒー」と呼ばれます。

ベースとなるウイスキーだけでも豊富な種類が用意されていますが、コーヒーもドリップとエスプレッソの2種類から選べるうえ、ホットかアイスか、砂糖を入れるかどうかまで指定できるようです。組み合わせ次第で、アイリッシュコーヒーだけでも32通りの楽しみ方ができる!というわけですね。
この日、ブログ主がいただいたアイリッシュコーヒーは、ウイスキーを「タラモアデュー」、砂糖は少しだけでオーダーしたもの。もちろんホットです。コーヒーはエスプレッソを切らしていたそうなので、ドリップのもので。
味は正直なところ、インスタントコーヒーにウイスキーを単純に混ぜただけの飲み物、という印象でした。インスタントコーヒーが悪いわけではないですが、もうちょっと創意工夫が欲しいところです。
ウイスキーの個性に応じてコーヒーを変えることもなく、ただウイスキーのバリエーションがたくさんあること自体がウリのようにも感じてしまいました。

カウンター席のすぐ隣はガラス張りになっており、職人さんがウナギを調理している様子を間近で見ることができました。休日だったからか、かなりの鰻たちを相手にされていて、とても忙しそうな職人さん。
それにしても、鰻屋でアイリッシュコーヒー。なんとも乙なものです。アイリッシュコーヒーを飲んでいるとき、お店の方に「菊屋」の歴史をたくさん聞くことができました。
文章
成田空港が開港した当初から、海外(特に欧米)から訪れるお客さんのニーズに応えるため、鰻へのこだわりや丁寧な接客を大切にしながら、お酒の新メニュー開発にも力を入れてきたそうです。なるほど。
ここで鰻をいただいたことはないですが、いずれ本店でもここ「上町菊屋」でも鰻をいただきたいと思います。
ちなみに…。「上町菊屋」で鰻を食べなかった理由は、アイリッシュコーヒーをいただく前に、鰻をすでに別のお店でいただいていたからなんです。本当はアイリッシュウイスキー×鰻のペアリングを実践してみようと思っていたのですが💧
私が鰻をいただいたのは、成田山新勝寺の総門脇にある「駿河屋」。中古ホビー屋さんを思い出す方もいるかもしれません(ブログ主もそのひとり)。

駿河屋は鰻好きの間ではとても有名なお店。下総醤油と三河の白九重味醂を使ったタレが特徴で、備長炭で丁寧に焼き上げた鰻をいただけます。
いただいたのは、ブランド鰻の「共水うなぎ」を使ったうな重。駿河屋でも最上位クラスのうな重です!
もちろん肝吸付き(なきゃ困る)。
「共水うなぎ」は焼津で養殖されている鰻なのですが、天然鰻にしかない甘い香りと味わいがある、というのが売りのようです。脂は体組織の25%を占めるものの、しつこさがないのだとか。

正直、ブログ主は天然モノの鰻の味にまったく詳しくないですが、たしかに脂はくどくなく、身は柔らかでありながら厚みもあり、ボリュームも十分。脂の量は多いものの、身全体に均一に行き渡っているかのようで、重たさを感じさせません。旨い。焼き加減をはじめとする技法の妙もあるのでしょうが、脂そのものにもどこか溌剌とした印象があります。
だがしかし。成田の老舗、駿河屋でも天然うなぎは食べられないのか……。
天然モノの鰻はどんどん食べられなくなると、あちこちで言われていますが、それを深く実感しました。近い将来、どれだけ大金をはたいても(ブログ主はそもそも、はたく大金がないのですが)天然モノの鰻をいただくことができなくなる未来が来てしまうかもしれません。
南無…。




テレビの朝イチで森泉さんが鰻とアイリッシュコーヒーが合うとご機嫌だった。私も試す機会があったので、お願いした。う〜ん、とてもおいしかった。あとで息子に聞くとその昔、外国の飛行場で給油の待ち時間に寒い所なのでウィスキー入りのコーヒーを飲んだのだとか。また、飲みたいと思った。鰻とコーヒー合う。
鰻とアイリッシュコーヒーのマリアージュ、とても面白いですね。今度は鰻と一緒にいただこうと思いますw
菊屋さん!?と驚いて、速攻入店しました。確かにメニューは菊屋さん。お酒のあてが川エビのから揚げやイタワサからの白焼きへのいつもの菊屋さん。だけど、アイリッシュコーヒーがありました。うなき肝串と合わせてたりして大興奮。ちなみにカネマラ、ホット、加糖でエスプレッソにしました。 海外からのお客様に自慢したくなりました。
うなぎ串肝×アイリッシュウイスキーは合いですね!海外の方から見てこのペアリングはどう映るのか気になります。