松江駅のすぐ近くに佇む、クラシカルなカフェ「クーランデール」。

1988年創業という歴史あるお店です。店名の「クーランデール」はフランス語で Courant d’air と書くらしく、「流れ」を意味する courant と、「空気の」を意味する d’air から成り、「空気の流れ」や「そよ風」といった意味になるそうです。
店内へ足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは、ショーケースにずらりと並んだケーキたち。
その光景だけで、思わず気持ちがほぐれてしまいます。

さて、ここで出会ったアイリッシュコーヒー……否、厳密にはアイリッシュミストコーヒーなのですが、この店のアイリッシュミストコーヒーは非常に美味しかったということを、まず最初に申し上げておきます。
正直なところ、私はアイリッシュコーヒーを注文して、アイリッシュミストを使われるのがあまり好きではありません。なぜなら、それはアイリッシュコーヒーではなく、アイリッシュミストコーヒーだからです。
「アイリッシュミストにはアイリッシュウイスキーが使われているのだから、広義ではアイリッシュコーヒーと言えるではないか」
そんな反論は聞きたくありません。
味についてもひと言申したく、カフェで提供されるアイリッシュミストコーヒーには、アイリッシュミスト由来の濃厚な甘みにコーヒーの味わいが押し負けてしまい、結果としてコーヒーの良さを活かしきれていないものが少なくないのです。
(※ちなみに、バーでアイリッシュコーヒーを頼んでアイリッシュミストを使われたことは、一度もありません。)
これまで数多くのアイリッシュミストコーヒーを飲んできましたが、私の中での割合は、おおよそ「美味い」が2、「可もなく不可もなく」が3、「ミストが暴走している」が5といったところです。
今回いただいた一杯は、当然ながら「美味い」の部類に入るだけでなく、これまで飲んだアイリッシュミストコーヒーの中でも五指に入るウマさでした。
ちなみに、アイリッシュミストコーヒーに関していえば、数えているだけでも優に100杯以上は飲んでいます、ハイ( ‘ ω ‘ )
さて、いざ実飲。
生クリームがたっぷりとのった贅沢なアイリッシュミストコーヒー。

そういえば、お値段は税込1,760円でした。カフェのアイリッシュコーヒーとしてはかなりお高め。
この生クリームには、ケーキにも使われているものが用いられているそうで、軽やかな口当たりのなかに上品な甘さが感じられます。
コーヒーはマンダリンベースの深煎りブレンド。
しっかりとした苦味とコクを備え、生クリームと合わさることで味わいに見事な一体感が生まれています。そのバランスが実に心地よい。
アイリッシュミストの蜂蜜やハーブを思わせるニュアンスが美しく溶け込み、香りにほどよい奥行きを与えています。
甘さはしっかりとありながらも重たさはなく、飲み進めるにつれてコーヒー、クリーム、リキュールの三者が少しずつ混ざり合い、表情を変えていくのも楽しいところ。
飲み終える頃には、濃厚な甘み・苦味のコントラストとふわりとした陶酔感が静かに残り、その余韻までじっくりと味わうことができました。

アイリッシュコーヒー(アイリッシュミストコーヒー)において、生クリームの存在がどれほど大切かを改めて実感する一杯です。
そして何より、この一杯は私に「アイリッシュミストコーヒーも、ちゃんと美味しくなれるのだ」としみじみ思わせてくれました。
アイリッシュコーヒー(アイリッシュミストコーヒー)好きはもちろん、普段はあまり注文しないという方にも、一度試してみてほしい逸品です。