神戸の老舗珈琲店『にしむら珈琲店』。
創業はなんと、第二次世界大戦終戦から3年後の1948年。
空襲で焼け野原となった神戸・北野の街角に、わずか3つのテーブルしかない小さなお店をあけたそうです。
そんな長い歴史をもつ『にしむら珈琲店』は、地元民からも観光客からも愛されつづけ、現在は神戸市に7店舗、芦屋市の1店舗、大阪梅田に1店舗、計9店舗をかまえています。
なかでも、日本初の会員制喫茶店としてオープンした「北野坂 にしむら珈琲店」や、ドイツ風木組みの外観の「中山手本店」は有名です。
今回は、「北野坂 にしむら珈琲店」に行ってきました。
※1995年に一般開放され、現在は会員制ではありません。
外観に負けず劣らず、高級感あふれ洗練された店内からは、会員制だったときの面影が感じられます。
洋館のような雰囲気ですね。
夜は、照明はおさえめ。少し厳かなムードも漂っていました。
メニューブックもめちゃめちゃ立派でびっくり。木でできています。
ここ北野坂店では、7~8月にかけて“氷の器のアイスコーヒー”という、その名の通り氷の器にはいったアイスコーヒーがいただけます。※下に写真があります。
数量限定でなんと1,800円。
他の店舗ではどうやら出していないらしく、この店舗が特別だということがよく分かります。
今回頼んだのは、アイリッシュコーヒーと、タマゴとハムのサンドウィッチ。
2Fはレストランになっているようですが、キッシュやサンドウィッチ、ケーキなどの軽食は1Fでも注文できるようです。
アイリッシュコーヒー ¥1,900
こちらのアイリッシュコーヒー、なんとお値段、1,900円。
なんともお高いですが、やはり高級店。炎のパフォーマンスサービスを卓上で披露してくれました。
マスターがヨーロッパで入手したというアイリッシュコーヒー用のウォーマー。
アイリッシュウイスキーのブッシュミルズが1ほど入っているグラスを、ゆっくり回転させながら青い炎で炙っていきます。
甘さ控えめでお伝えしていたので、砂糖は少ないですが、ちゃんと入っています。
熱せられることで、ウイスキーと砂糖が少しずつ溶け合っていき、甘やかな匂いが少しずつ立ち込めていきます。
十分に温めたら、マッチの炎をグラスの中のウイスキーに近づけ、着火。
琥珀色のウイスキーに、青い炎が移ります。生きているように、ゆらゆらと炎が揺れています。
まるで生命がそこに宿ったようです。
一定時間経ったら、グラスをウォーマーから離し、コーヒーを注ぎます。
コーヒーを注いで、液量がグラスの半分まで達する前に、青い炎は消えていました。
最後の仕上げ。キレイな形をした生クリームを、スプーンで丁寧にすくって、コーヒーの上にのせます。
固形状の生クリームで、なかなか形は崩れません。
素敵なパフォーマンスを楽しんだあとは、実食(?)です。
固形状の生クリームは、しっかりとした甘みを含んでいました。
コーヒーは、小豆や煮豆といった、どこか和のニュアンスがあり、不思議な味わいがありました。
使用しているウイスキーと、砂糖の相性のせいでしょうか。
飲み進めていくと、まろやかな酸味が顔をのぞかせます。おそらく中深煎りあたりのコーヒーを使用しているのでしょう。
パフォーマンスは素敵でしたが、単純な味わいはそこまで好みではなく、少しぼんやりとした味わいでした。
タマゴとハムのサンドウィッチ。(本当はキッシュを食べたかったのだが、売り切れていた泣)
しっかりとしたボリュームがあり、またキレイに盛り付けられていました。
ホスピタリティもよく、非常に満足度の高いお店です。
地元民からも観光客からも愛される理由がよくわかりました。
これからもずっとそこにあり続けてほしいと心から思えるような、そんな名店でした。