2003年に喫茶店で初めて国の登録有形文化財に指定された、京都の四条河原町の『フランソワ喫茶室』。
喫茶店愛好家にとっては、有名すぎる名店です。
洋館のような白塗りの壁と、瀟洒なガス灯、そしてステンドグラスの窓の美しさを目の当たりにして、国の登録有形文化財に登録されるのも納得しました。
創業はなんと1934年。
この令和の時代に存在していること自体が奇跡のように思います。
公式サイトに、このお店の歴史が詳しく載っていました。
店名のフランソアは、「種まく人」や「落穂拾い」で有名なバルビゾン派の画家フランソア・ミレーから来ているそうです。
店内には、ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」や、ボッティチェッリの「春」「ヴィーナスの誕生」といった名画の複製画が飾られています。
創業者の立野氏が画家を志していたからだそう。
とっても美しい店内。
深紅のような上品な赤色が、白と黒を基調としたお店の中で、いかんなく存在感を発揮しています。
エレガントな内装ですが、驕奢な雰囲気は一切なく、洗練されています。
『フランソワ喫茶室』。名前からも、エレガンスが漂っていますね。
メニューはとても充実しています。
コーヒーだけでなく、ケーキやゼリー、そしてトースト・サンドイッチといった軽食メニューもありました。
また洋酒や、洋酒を使ったヴァリエーションコーヒーもありました。
ブランデー・コーヒーやアイリッシュコーヒー、ウィスキー・ティーといった洋酒を使ったメニューはお値段がはります。
アイリッシュコーヒーにはなんと1,850円!
紅茶メニューの中に、「キュラソー・ティー(グラン・マルニエ)」というものがあり非常に気になりました。こちらはまたの機会に。
アイリッシュコーヒー ¥1,850
スプーンの上にのった角砂糖が上品でいてかわいい。(使わないけど)
いざ実飲。
シャバシャバの生クリーム。
コーヒーにすでに溶けかかっていました。
甘みはほとんどなく、コーヒーの苦味が口中をたちまちに支配していきます。
お酒はオールドパーを使用しているとのこと。
グレーンのスピリッティな感じが強く、舌をピリピリさせる揮発感を全面に感じました。
あまりコーヒーになじんでいないようです。グラスの中で、コーヒーとウイスキーが手を取り合っていないような、呉越同舟感をおぼえました。
若干ピートも感じられますが、アイリッシュコーヒーには不要な要素のように思いました。
本日のケーキにあった、レアチーズケーキ。
後から知りましたが、『フランソワ喫茶室』の名物のようです。
甘さ控えめなので、ペロリと食べれました。
特製プリン。
甘さ控えめのホイップクリームの上に、自家製オレンジコンフィがのっています。
少しほろ苦いカラメルソースがいいアクセントになっていますね。
アイリッシュコーヒーこそ少し残念でしたが、スイーツメニューは満足でした。
古き良き喫茶店ならではの良さが堪能でき、とても楽しかったです。
ちなみに、一番最初に『フランソワ喫茶室』を目にしたのは、夜でした。
バーに寄った帰りということもあってか、ほんとうにキレイだなあと、ポケ~っと眺めていました。
すぐそばに小さな橋(四条小橋というらしい)があるのも風情があって、実に良き。