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シャトードブルイユ蒸留所とクリスチャンドルーアン蒸留所を訪問したのち、まだ少し時間があったので、もう一つだけ蒸留所をまわることにした。
Googleマップを検索し、片っ端から営業している蒸留所を探したところ、一番近いところはピエールユエ(Pierre Huet)蒸留所だった。
■ピエールユエ蒸留所とは
- ノルマンディーのシードル街道沿いに位置するペイドージュの中心部「カンブルメール村」で150年以上の歴史を誇る家族経営の蒸留所。
- 徹底した高品質・少量生産主義
- 30ヘクタールの果樹園で25品種以上のリンゴを栽培している。
- 超一流レストランや在仏英国大使館、更には英国王室御用達としてバッキンガム宮殿でも愛飲されるブランド
クリスチャンドルーアン蒸留所からピエールユエ蒸留所まで、タクシーで25分ほどかかる。
ポンレヴェックから、シードル街道で有名なカンブルメールという街まで移動するのだ。
カンブルメールの景色を楽しみながら車に揺られること25分ほど、ようやく到着。
車窓からでもカンブルメールの街並みを撮影しておけばよかったと後悔。
いたるところに年季の入ったコロンバージュ様式の建物があり、とてもチャーミングな街だった。
ここピエールユエ蒸留所では、ガイドツアーも開催されているよう。
時間はかなり限定されるが英語のガイドツアーもあるようで、次回訪れた際は絶対申し込もうと思う。
早速敷地内へ。
テイスティングルームに併設されている蒸留棟(稼働はしていない)は自由に入ることができるようになっている。
興味深いことに、シャトードブルイユ蒸留所のシャラント式蒸留器とは形状が異なり、ポットスチルが円柱のような形をしている。
蒸留塔を見学した後は、テイスティングルームへ戻って試飲させていただくことにした。
最初にいただいたのは、8年、15年、30年の3種。
日本ではなかなかお目にかからないピエールユエ。
ピエールユエ蒸留所のカルヴァドスを飲むのは実をいうと今回が初めてだったのだが、今まで飲んできたカルヴァドスとは異なるスタイルのように感じられた。
3本を飲んで共通して感じ取れたのは、どれもカルヴァドスらしいリンゴの香りはもちろん感じられるものの、黒胡椒やハーブのアロマもあり、ややオリエンタルな雰囲気があるところ。
余韻には若干のキャラメルのような甘さもあり、熟成年数が高くなるにしたがって、この甘みには焼きリンゴのような植物由来の甘さが加わり、強く濃厚な味わいの甘みになっていく。
(↑シャトードブルイユ蒸留所とクリスチャンドルーアン蒸留所でしこたまお酒を飲んだ後なので、舌がおかしくなっている可能性アリ。)
リキュールも3種、テイスティングさせていただいた。
日本市場ではなかなか見ることのない、とても貴重なものだと思う。
左はカルヴァドスクリームリキュール。色はその名から連想できる通り、クリーム色をしている。
真ん中のは変わり種で、グリーンアップルのクリームリキュール。クリームと書かれているが、クリームのような甘さは感じられなかった。
そして右は、カルヴァドスをベースとした洋梨のリキュールである。リキュールなので甘さはあるものの、ピリっとスパイシーな香りもする。
リンゴジュースもいただいた。
同じノルマンディーのリンゴジュースでも、シャトードブルイユ蒸留所のリンゴジュースとは全くことなる味わい。
シャトードブルイユ蒸留所のリンゴジュースは綺麗な酸味ののったピュアでジューシーな甘味を楽しめるが、ピエールユエ蒸留所のものは、リンゴの苦味も感じられ、やや野性味もある複雑な味わいであった。
ピエールユエ蒸留所のカルヴァドスは、何本か買って、家でじっくりと向き合って飲みたいと思わせるような魅力があった。
数回飲んだだけでは理解できないような、深淵な魅力が眠っている気がしている。
テイスティングと買い物を終え、最後は敷地のまわりを一周して帰ることに。
ここに連れてきてくれたタクシーが蒸留所内に待機していたので、手短に散策。
天気が悪いのが悔やまれる。
天気予報はたしか終日曇りだったので、クリスチャンドルーアン蒸留所を訪問した際に一時的に晴れていたのが奇跡だったのかもしれない。
ノルマンディーに来て牛と馬は見かけたが、羊は初めて。
ヤギのチーズも有名なので、ヤギもいるのだろうか。
楽天市場を除いてみると、ピエールユエのポモーが売っていた。気になる・・。
30年熟成の超熟モノも発見。