沼津への弾丸アイリッシュコーヒー旅。
これまでアイリッシュコーヒーを求めて何千里と歩いてきましたが、今回は灼熱の中を10km以上歩くことになり、さすがに堪えました。
ようやく日が少し傾き始めた夕方、沼津駅から少し離れた場所にある喫茶店『珈琲阿蘭陀館 香貫店』へ到着。

ちなみに、「香貫」は”かぬき”と読むそうです。
地元の方でなければ、なかなか読めない地名ですね。

店内へ足を踏み入れた瞬間、その素敵な内装に思わず息をのみました。
異国情緒あふれる空間には、蓄音機をはじめとしたクラシカルで趣のある粋な調度品が並び、どこを見渡しても雰囲気があります。

こちらでアイリッシュコーヒーがいただけることは事前に調べていたので、迷わず注文。
アイリッシュコーヒーを注文した際、ホットかアイスかを聞かれました。
外はまだ暑かったものの、やはりアイリッシュコーヒーはホットでいただくことにしました。
アイリッシュコーヒー ¥700

薙刀のように細長いロングスプーンが添えられていました。
もっとも、私はアイリッシュコーヒーを飲むときにスプーンを使うことはありません。
基本的にアイリッシュコーヒーは混ぜず、そのまま飲み進めます。
コーヒーと生クリームが口内で自然に混ざり合っていくに任せるのです。
それが「通」かどうかはともかく、私にとってスプーンはほぼ置物のような存在です。

生クリームは液体に近い軽い質感で、甘みはほとんどありません。
生乳そのものを思わせる風味が強く感じられました。
コーヒーは酸味がほとんどなく、苦味も穏やかで、とてもマイルドな味わいです。
使用するウイスキーはジェムソンのようですが、アルコール感はかなり控えめで、全体としてやさしい印象にまとまっています。
個人的にはもう少しコーヒーやウイスキーの輪郭が際立っているほうが好みですが、美味しいアイリッシュコーヒーでした。
例えるなら、どこかコーヒー牛乳を思わせるような、親しみやすく飲みやすい一杯です。

店内の隅には、存在感のあるテレフォンボックスの姿が。
中に入れるのかどうかは分かりませんが、空間のアクセントとして強い存在感を放っています。
店名に『阿蘭陀館』とあるように異国情緒を感じさせる一方で、どこか日本らしい落ち着きも漂っており、まさに”和蘭折衷”と呼びたくなるような独特の空間でした。

沼津駅からは少し距離があるのが玉に瑕ですが、それでも足を運ぶ価値を感じられる素敵なお店です。
また沼津を訪れる機会があれば、ぜひ再訪したいと思います。