ほうじ茶のアイリッシュコーヒー

ほうじ茶でつくるアイリッシュコーヒー

それは最早アイリッシュコーヒーではないのですが、コーヒーでつくる正統派のアイリッシュコーヒーとはまた違った美味しさがあったので、特集してみます。


伍 アイリッシュコーヒー
撮影日(2022/02)

「アイリッシュコーヒー Ver.ほうじ茶」がいただけるのは、東京都南青山に居を構える日本茶専門店『 伍(itsu) 』です。

本当は誰にも教えたくない、素敵なお店です。


伍 外観
縦に長い建物。
地価の高さが、こうさせるんですね。

近くには有名な蕎麦屋の『川上庵』や、Bar『Radio』などがあります。



扉をあけると、靴をぬいで2階へ続く階段があります。

日本茶をいただくので、靴は脱がないとですね。


伍 階段

カウンター席は5席と、かなりこじんまりとしています。

メニューは基本、「玉露」や「煎茶」、「萎凋茶」といった日本茶が中心の構成になっていますが、最後のページに 「アイリッシュコーヒー Ver.ほうじ茶」 を発見!
※メニューは季節によって変わります。


伍 メニュー
「アイリッシュコーヒー Ver.ほうじ茶」 は冬期限定なので注意!

「アイリッシュコーヒー Ver.ほうじ茶」 は、アイリッシュコーヒーの「コーヒー」を「ほうじ茶」に変えたオリジナルのカクテル(茶酒)です。

以下、レビュー。


伍 アイリッシュコーヒー

かわいいゴブレットグラスに入っています。

生クリームの上には、ほうじ茶の粉末がかかっていました。


伍 アイリッシュコーヒー

正統派のアイリッシュコーヒーと同様、生クリームとほうじ茶は綺麗な層に分かれています。

ほうじ茶はコーヒーに比べ軽いため、美しい層をつくってグラデーションをつくることは難しいようです。

クリームをしっかりホイップさせないと、ここまで綺麗な層をつくることは難しいでしょう。


伍 壺
お水を沸かしています。

肝心の味わいに関してですが。

深煎りのコーヒーほど味わいに主張はないものの、ほうじ茶の存在感をしっかり感じ取ることができ、また“ウイスキー×日本茶”の可能性も期待できる一杯でした。

ウイスキーは、ほうじ茶にあわせるということもあってかアイリッシュではなく、ジャパニーズの「サントリー オールド」


伍 オールド
サントリーオールド。
通称(愛称):ダルマ

同じサントリーのブレンデッドウイスキー「角瓶」や、シングルグレーンウイスキーの「知多」など、様々なジャパニーズウイスキーで試行錯誤されたそうですが、最終的に「オールド」に落ち着いたということらしいです。

香り高いほうじ茶の味わいと、個性が穏やかなオールドの香味が巧みにマッチしています。



何より余韻が素晴らしいです。

ウイスキー本来の持つ香味を、ほうじ茶由来の馥郁たる甘香ばしいアロマで包み込んでいるよう。

ストレートでウイスキーを飲むよりも洗練された味わいで、それでいて余韻も長く続きます。

甘さの加減もちょうどよい、美味しい“茶酒”でした。
( ※甘さは角砂糖を使って調整しているそう。 )

以上、世にも奇妙な「アイリッシュコーヒー Ver.ほうじ茶」のレビューでしたが、せっかくなので日本茶についても少しだけこの記事に書こうと思います。


伍 白瑠 -紺-
器がかわいい

上の写真は、萎凋茶の「白瑠 -紺-」

茶葉に光をあてると、わずかに紺色にみえました。

また茶葉は粉末のものではなく、葉っぱの形をしたものを使用するので、この量で5煎もとれるそうです。(通常だと3煎ほど)


伍 茶葉
写真では色が少し分かりづらいです。

このお茶ですが、非常に貴重なものだそうです。

オンリストされている他の萎凋茶と違い、機械に頼らず自然に葉が萎れて云々かんぬん…と、製法が異なるようで、とてもユニークなものだそうです。

味わいは穏やかで、アフターには枝豆やずんだみたいなニュアンスを感じました。( 私だけかもしれない )


伍 茶菓子
手前にあるのは、”黒文字の菓子きり”

日本茶を注文すると、途中で和菓子もついてきます。

今回は2つの中から1つを選ぶことができました。

羊羹とスポンジ、そして煮詰めたリンゴが三位一体になった和菓子をチョイス。
※選ばなかったほうは「黄身しぐれ」でした。


伍 茶器
日本の美意識が宿っています

繰り返しになりますが、本当は誰にも知られたくない素敵なお店です。

カウンター席が5席しかないので、平日に一人で行くことをおすすめします。

冬にはまた、美味しい「アイリッシュコーヒー Ver.ほうじ茶」 をいただきですね。

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