【鎌倉】珈琲卿 身似虚無

アイリッシュコーヒーを求めに、お休みの日に一人で鎌倉に来ました。

この日は雨が降っており、鎌倉を散歩するような天気ではなかったです。

足取りは重かったですが、鎌倉の商店街の脇に、素敵な喫茶店を見つけました。

『身似虚無』と書いて、“みにこむ”と読むのだそうです。

地下に入ってみると、コーヒー愛好家のアルカディアのような空間が広がっていました。

サイフォン式のコーヒーメーカーが並んだテーブルカウンターはなんとも壮観です。


珈琲卿 身似虚無 カウンター

まだ早い時間だったので、アイリッシュコーヒーだけを注文しました。

注文してしばらくすると、砂糖とウイスキーの入ったグラスが、鈍色にひかるウオーマーに温められた状態で、テーブルの上に運ばれてきました。


珈琲卿 身似虚無 アイリッシュコーヒー
生クリームはの入れ物に注目!氷で冷やされています。

目の前で、ダンディなマスターが炎のパフォーマンスをしていただきました。

青い炎がよく見えるよう、室内の灯りを消してくださいました。

グラスを十分にあたためた状態で、青い炎のもとに、グラスを傾け、中のウイスキーを近づけてゆきます。



ウイスキーに、青く輝く炎がうつりました。

炎でアルコールを飛ばすことで、飲んだときに感じるアルコールの嫌な揮発感がなくなり、またウイスキーの持つアロマがより華やぐような気がします。

素敵なパフォーマンスを、見せていただきました。


アイリッシュコーヒー ¥950

珈琲卿 身似虚無 アイリッシュコーヒー
撮影日(2020/10)

日本の焼き物と思われるお皿と金のスプーン、そしてフルートグラス。

和洋折衷が見事に実現された形だと感じました。

横からみると、生クリームとコーヒー、そして砂糖の3つが美しい色のコントラストを成しています。

直前まで、ウォーマーで温められているので、コーヒーは非常に熱いですが、生クリームは心地の良い冷たさがあります。

口どけのよい生クリームは、口内で、次第に苦味と酸味のバランスのよいコーヒーと一体になって、玄妙な味わいになってゆきます。

ウイスキーはジェムソンを使用しているそうです。

飲みこんだ後に、かすかにウイスキーの風味が鼻腔をくすぐります。

アルコールの揮発感は感じられず、じんわりと五臓六腑に染み渡る滋味を感じます。

丁寧に出汁をとってつくられたシジミの味噌汁をすするような、そんな安心感がありました。

目の前で素敵なパフォーマンスをしていただいた上に、アイリッシュコーヒー自体、かくも美味いというのは、この上ない僥倖でありました。

鎌倉に来た際は、絶対に来訪しなければならない名店であります。

ごちそうさまでした。

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