アイリッシュコーヒーの飲み比べができるお店ということで、以前より行ってみたいと思っていたお店でした。
飲み比べセットは、タリスカー10年、ザ・グレンリベット12年・マッカラン12年の3種類です。(3種すべてスコッチウイスキーなので、ゲーリックコーヒーの飲み比べということになります。)
3種飲み比べセットを楽しむことが目的だったのですが、この日は取り扱いをしていませんでした。
残念ながら、この鎌倉店は、もうすぐ閉店してしまうということだったので、店に置くお酒の種類も減らしているとのことです。
悲しいですが、不幸中の幸い、アイリッシュコーヒー単品はメニューにまだ残っていたので、それをオーダー。
様々な情念が胸を渦巻きながら、アイリッシュコーヒーをいただくことになりました。
アイリッシュコーヒー ¥670
これぞアイリッシュコーヒーというような、オーラのようなものをまとっています。
シンプルで素朴な見た目ですが、無駄のない、一切の虚飾を排した合理的な成りに、好感をもてます。
視覚的にも味覚的にも、生クリームとコーヒーの量のバランスは、非常に良いように思います。
口あたりのよいシルキーさを携えた生クリームは、秘宝のようなスピリッツが溶け込んだコーヒーと次第に口内で混ざりあい、玄妙な味わいになってゆきます。
使っているウイスキーは、マッカラン12年。
マッカラン12年を使っていながら、この低価格で提供するのは、本当にすごいことです。
マッカランはスペイサイド地方のスコッチウイスキーなので、厳密にいうとゲーリックコーヒーになりますが、今までマッカランを使ったゲーリックコーヒーに出会ったことはありません。(家で自作したことはあります。)
周知のとおり、マッカランは高価なスコッチのシングルモルトなので、ゲーリックコーヒーにマッカランを使うことは、あまりしないと思います。
マッカランの持つレーズンや、ドライアプリコットのようなニュアンスが十分に感じられます。
余韻には、ミルクチョコレートのような甘味と、かすかにバニラが顔をだし、表情豊かな甘さが一気に押し寄せます。
670円という価格で、こんな贅沢なアイリッシュコーヒーがいただけるお店は、そうないでしょう。
エスプレッソは、日替わりで変わるのでしょうか。
この日の「本日のエスプレッ」は、産のカルロス・イトゥラルデでした。(知らない。)
閉店してしまうのは、非常に残念に思います。
世の中、諸行無常です。