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パリに1泊し、満を持して、いざカルヴァドス蒸留所巡りへ。
ホテルではシャワーの出し方がよく分からず、夜な夜な長い時間バスルームで格闘していたが、時差ボケもなく快適に眠れた。
ホテルの窓から撮影したサンラザール駅(Saint-Lazare)
ここから、ポンレヴェック駅(Pont-L’Evêque)に向かうのだ。
乗り換えの必要なく、2時間ほどで揺られれば到着する予定。だったのだが、3時間以上かかった記憶。
車内はいたって平穏だった。充電する場所があったのも高ポイント。
いざポンレヴェックに到着すると、想像以上の田舎でびっくり。
緑の多い駅であったが、それでもどことなく”フランス感”なるものを感じた。
駅をおりて少し歩くと、広大な緑が広がっており、ジャージーのような牛が遠くに確認できた。
リンゴとチーズが有名な小さな街、ポンレヴェック。地名を冠したチーズ「ポンレヴェック」やカマンベール、リヴァロも有名だ。
この日は少し霧雨が降っていた。
長閑な道を進んでいくと、徐々に建築物が見えてきてちょっと安堵。
書物や絵画でおぼえた古き良きフランスを、全身に感じる。
絵本から出てきたような、おとぎの国を彷彿とさせる建物もちらほら見えた。
すぐにでも町を散策したかったものの、荷物も多かったので、まずはホテルにチェックインして荷物を下ろしてから、食糧調達のために『Netto』というホテルから徒歩3分くらいに位置したディスカウントスーパーへ向かうことに。
流石ノルマンディー、スーパーにはカルヴァドスやポモー、シードルがたくさんあった。
リンゴのお酒だけでなく、洋ナシのお酒もたくさん見かけた。
カルヴァドスは、リンゴだけでなく洋ナシも原料として用いられることも多く(リンゴ100%のカルヴァドスもある。)、そのため洋ナシの醸造酒(ポワレ)もつくられているよう。
未踏の地にあるスーパーを巡るのは、本当にワクワクする。
朝から何も食べていなかったことと、これからカルヴァドスを大量に飲む予定があったため、今回は水とポテトチップス(非常食)を購入し退店。
腹ごしらえのため、ホテルに近かったレストラン『Berbère』へ。
店外にあったメニュー表をみると、アイリッシュコーヒーの文字列を発見!
満を持して店に入ると、ビストロやバル・・といった雰囲気はなく、どことなくオリエンタル、アフリカンな設えに少し面食らった。
後から調べると、モロッコ料理・地中海料理・中東料理のレストランだったようだ。
メニューのフランス語はまったく分からず、英語も通じなかったため、とりあえずチキンと書かれたものをオーダーし、食後にアイリッシュコーヒーをいただくことに。
・・・あまりにカオスなアイリッシュコーヒーは、別の記事にあげることとする。
食事を終え、さて、カルヴァドス蒸留所へ行こう・・と思ったものの、この日はどこもアポイントをとっておらず、タクシーで行けそうなところをGoogleMapで探し、行くことにした。
フランスはタクシーアプリ「UBER」が使えるということは知っていたため、この日初めてこのアプリでタクシー配車を試みた。
しかしなかなかタクシーが捕まらない。田舎でGrabはつかえないのか・・と仕方なくホテルに頼んでタクシーを呼んでもらうことにした。
車窓から見える長閑な景色を見て、ついにカルヴァドスに来たのだなあとしみじみ。
行先は『DOMAINE DE LA POMMERAIE』。ここは、ポンレヴェックから港町オンフルール方面へ車で15分くらいのところに位置する、カルヴァドスの大手蒸留所BUSNELの見学拠点(?)のようだ。
ビュネルは、1820年創業の歴史あるカルヴァドスメーカーである。
タクシーから降りると、雨はあがり、陽光がさしていて、100点満点の天気のなっていた。
豊かな自然に囲まれている風光明媚の地。
たちまちにしてテンションはMAXに!!
道の左右に、テイスティングルームのある施設や噴水、蒸留器であるポットスチルを展示している部屋があり、突き当りには牧場(放し飼い?)のほか、リンゴを積んであるエリアがある。
ゆく道に、リンゴが転がっている。日本で食するリンゴより一回り小さい。
早速見学可否をテイスティングルームにいたアンジェリカさんに尋ねると、英語での案内はできず、フランス語のみということをGoogle翻訳の英文で伝えられる。
散策させてほしいという希望を同じくGoogle翻訳の仏文で伝え、一人で散策することに。
とりあえずブラブラしてみる。
まずはポットスチルが鎮座する部屋に。
ポットスチルは、コニャックの蒸留に使われるシャラント式のものだった。MARESTE製である。稼働はしておらず、見学者用に見せるために展示している様子。
リンゴの収穫に使うのであろう、重機がこちらをのぞいている。
フランス製かと思いきや、まさかのアメリカのBobcat社製。驚きである。
重機の並んだエリアを少しすすむと、リンゴが大量に積まれているのを発見。
凝縮感のあるリンゴの芳香が立ち込めている。近くにいくと、ハチがたくさん飛び回っていた。
柵の向こう側(立ち入り禁止と思われる)には、広大な緑が眼前に広がっており、牛が歩いている。
ポンレヴェック駅から見るよりはるかに近い距離だ。
じっと見ていると、牛も私の視線に気づいたのか、2頭がこちらを凝視してきた。
ポンレヴェック駅の近くで見つけた牛と同じジャージーのよう。
牧草だけでなく、リンゴも食べるのだろうか。
牛と5分ばかり見つめあったのちは、テイスティングルームへ戻った。
こじんまりとした部屋で、テイスティングルームのカウンターの後ろには、お酒やジャムの瓶などお土産品が並んだ棚がある。
肝心のテイスティングだが、タダで飲ませてくれるらしい。(太っ腹!)
まずはポモーをいただく。
往年のカルヴァドスのような色艶のあるポモーは、飲みやすくアペリティフとしてぴったりな感もあるが、飲んだ後は説得力のある余韻もあった。
お次は、バナナがつけこまれたカルヴァドス(ベースのリキュール)。これは日本で見たことがなかった。
以前、日本のバーではウオッカにコーヒー豆を漬け込んだり(インフュージョン)しているものを飲ませてもらったが、これは所謂、インフューズドカルヴァドスというものであろうか。
肝心の味だが、バナナのねっとりした甘みが、アタックからアフターまで感じられる。個人的にはそこまで好きな味わいではなかったものの、とても新鮮である。
ちなみにバナナ以外もラインアップがあり、パイナップルやマンゴー、そしてオレンジ&コーヒーの計4種。
アルコールは27%とかなり控えめである。
お次はRESERVE PRESTIGE 12ans。12年以上熟成されたカルヴァドスがブレンドされたもの。
リンゴからつくられたお酒であることがよく分かる、珠玉のお酒である。
12年と聞くと、そこまで長熟なわけではないが、長熟ではないので樽のニュアンスが強くないため、原料本来のアロマが感じられる。
12年にしては余韻も長く、円熟したリンゴの旨み甘みが感じられる素晴らしいカルバドスだったZ
楽天市場を見ると、ビュネルの12年モノが売っていた。より熟成年数の低いフィーヌもいくつか扱っているお店がある様子。
テイスティングテーブルの後ろには、様々な商品が並べられた棚がある。
美しいボトルに入った長期熟成タイプのカルヴァドスから、RTDのカクテル、ジャムのようなものまで。
また、ウイスキーも扱っていた。初めて知ったのだが、ここはウイスキーも作っているようで、調べてみるとシングルカスクまで販売されているではないか。ジンやウオッカもあり、本当に多種多様な酒がある。
特に気になったのは、Bio表記のカルヴァドスたち。
無農薬で育てられた農作物からつくられたカルヴァドスなのだろう。
試飲で出してくれたグラスは6個ペアで販売していたので、購入することに。(グラスの写真は別記事で掲載予定)
とても可愛いグラスで、サイズもちょうどいいのがお気に入り。
ガイドの方と会話はできなかったものの、とてもフレンドリーな方で、楽しい時間を過ごすことができた。
行きと同じ方が運転するタクシーに乗り、ホテルへ帰還。
今回ノルマンディーで滞在しているホテルの名前は「Hôtel et Spa Le Lion d’Or」
部屋は中庭に接しており、とても開放的。
ホテルの名前にある通り、フランスながらオリエンタルな雰囲気がある。
明日はシャトードブルイユのアポイントをとっているため、夜更かしはせずに夕方には夕食を済まして、早めに寝ることにした。
※夕食は、NETTO(ホテル近くにあったディスカウントスーパー)で購入した、ニュトーリスコアCのポテチ。
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