★前の記事はこちらから見れます。リンゴ洗浄の現場から、蒸留設備~樽貯蔵庫での体験を書いています。
今回、訪問の2週間ほど前にメールで特別なツアーに申し込んでいた。
その名も「Création Calvados」ツアーである。
このツアーの内容は、カルヴァドスの生産過程をより深く理解するために、蒸留所と2か所の樽貯蔵庫をめぐり、最終的にはカルヴァドスのブレンディング体験ができるというもの。
自分のオリジナルレシピのカルヴァドスを1本、持ち帰ることができるのである!
所要時間は約2時間半で、体験費用は150€。当時は恐ろしいまでに円安であったが、申し込むのに二念はなかった。
天井の高い建物。この建物の2階でブレンディングを行う。
今まで巡ってきたどの建物よりも、由緒正しさというか、厳かな雰囲気を肌で感じる。
2階にあげる階段まで美しく、洒脱である!
ちなみに前回の記事で紹介した樽貯蔵庫とは別の建物であるが、ここにも樽が貯蔵されている。
2階にあがって撮影した写真。
(かなり暗い場所だったので、ISO感度を最大にして撮影している。そのためノイズ満載であるが、それはご愛敬。)
なんとも、歴史を感じさせる荘厳な雰囲気がある。
ガイドに連れられ、2階のテイスティングルームへ。
空のボトルやコルク、メスシリンダーといったテイスティングに必要なもののみがテーブルに並べられており、とても機能的な空間であった。
いざ、テイスティング!
5種類の異なるタイプのカルヴァドスが用意されていて、ロックグラスにあるスポイトを使って自分好みの割合を探っていく。カルヴァドスは、左から順番に熟成年数の高いものになっている。もちろん、5種類全部使わなくても問題はなし。
自分の好きな割合をガイドの方に伝えると、その割合をもとに1本丸々詰めてきてくれるシステムになっている。
用紙には、自分のレシピ(5種類のカルヴァドスの割合)を記すスペースが設けられていた。
カルヴァドスをテイスティングした後は、ガイドの方が、自分の伝えた割合・分量でカルヴァドスを瓶詰めしてくれる。
瓶詰めには少し時間がかかるため、1階に戻って「光のショー」を見て過ごすことになった。
プロジェクターから平積みされた樽に投影された「光のショー」。とても圧巻だった。
光のショーが終わり、ほどなくした後は、また2階のブレンディング室に戻る。
部屋に戻ると、希望のレシピ通りにブレンディングされたカルヴァドスの瓶詰めが終わっていて、瓶にはコルクがされていた。
ここから、コルクに蝋で蓋をする作業を行う。
赤い蝋の入った入れ物に、ボトルを逆さにしてゆっくりと入れるのだ。
蝋はなかなか熱いらしく、ボトルを逆さから元の状態に戻すときに蝋が垂れて手に付着するおそれがあるため、手袋を着用する必要がある。
コルクの下にある紐の輪ぎりぎりまで蝋をつけるのが良いと聞いたので、その通りにした結果少し控えめになってしまったが、これはこれで可愛いのでよしとする。
エチケットを貼ってもらい、完成!
世界の1つだけのオリジナルボトルの誕生である。
150€以上の価値があるツアーだったと思う。本当に最高の体験をすることができた。
ガイドの方と談笑しながら、スタート地点の売店兼ビジターセンターへ戻ることに。
どの建物も歴史を感じさせる格調高い雰囲気があったが、テイスティングルームのあるこの建物は、とにかく伝統や時代を肌でひしひしと感じられた。
ガイドの方に挨拶をし、売店でお土産を物色。
ツアー前に飲ませてもらった超絶美味のアセロラ色のリンゴジュース。買おうか迷ったが、とても重かったので断念。
結局、リンゴジャムとショットグラス、そしてカルヴァドスの本を買っていくことにした。瓶詰めしたオリジナルカルヴァドスのレビューとともに、別記事で紹介することとする。
カルヴァドスはもちろんのこと、ウイスキーやラム、ジンまで様々なハードリカーが販売されていた。
カスクストレングスや、終売になったと噂の「ロイヤル」、蒸留年表記のある「ミレジム」は売っていなかったのが少し残念。
シャトードブルイユのウイスキー「ル・ブルイユ(LE BREUIL)」は英語で丁寧に製法や特徴が明記されており、面白かったので紹介しよう。
「ル・ブルイユ」は2017年よりシャトードブルイユがノルマンディーの地で蒸留したシングルモルトウイスキーで、原料は「ゴールデンプロミス種」を使用している。
ゴールデンプロミス種を使用したフレンチウイスキーは「ル・ブルイユ」が初めてのようで、生産効率より品質を重視しているのが分かる。
整麦はフロアモルディング、蒸留はカルヴァドスを蒸留する際に使用されるシャラント式のポットスチルでされる点も興味深い。
楽天市場を見ると、取り扱っている店舗がいくつかあるようだ。
↓なんとシングルカスクまで出ていたとは・・!
お土産選びを終えた後は、タクシーでクリスチャンドルーアン蒸留所に行くことにした。
Uberでタクシーを呼ぼうとしたがやはり配車できなかったので、ガイドの方にお願いして手配することに。
余談になるが、「クリスチャンドルーアン(Christian Drouin)」と3回言っても伝わらず、フランス語の難しさを痛感させられた。
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