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タスマニア旅行最終日。最終日はホバート中心地を観光し、夜遅い時間に飛行機でメルボルンへ帰る予定でした。
タスマニアには美味しいものがたくさんあり、牡蠣やサーモン、ロブスターといった海産物や、グラスフェッドビーフにラム肉などの肉類、ラズベリーやブルーベリー、そして蜂蜜も有名で、世界有数の黒トリュフ生産地でもあります。(品質が高く、また収穫時期が北半球と逆のため、タスマニアのトリュフは非常に重宝されるそうです!)
ホバートは、タスマニアの美味しいものが集結するグルメな街。オシャレなカフェも多く、歴史的建築物を改装したヴィンテージ感あふれるお店や、地元の野菜や果物、蜂蜜を使ったフードメニューを提供するお店もあるなど、メルボルンほどの規模ではありませんが、カフェ文化が根付いた都市でもあります。
また、ビールやワインの一大産地としても知られています。南緯40度付近に位置し、冷涼で湿度が適度な気候のタスマニアは、夏の日照時間が長く、昼夜の気温差が大きいことから、ブドウがゆっくりと熟成し、フレッシュな酸味のあるワインが造られており、特にピノノワールやシャルドネが有名です。ピノノワールとシャルドネで造られるスパークリングワインもタスマニアを代表するワインで、繊細な泡と複雑な味わいが世界で評価されています。
・・・と、タスマニアには様々な美味いものがあるのですが、今回の旅行ではウイスキー蒸留所の訪問ばかりしていたので、あまり堪能できておらず。
最終日くらいは、グルメを楽しもう!と思い、ホバートを散策することにしました。
「とりあえず手頃に食べれそうなシーフードを!」と思いたち、フィッシュアンドチップスを食らいに港のシーフードレストラン「MURES」へ。グルメサイトにも載っているところで、とても人気のお店らしく、フィッシュアンドチップス以外にも、サーモンの寿司など美味しそうなものがたくさんありました。
開店と同時にお店に伺ったものの、まだフィッシュアンドチップスができていないとのこと。(なので一旦退転してカフェで時間をつぶすことに・・・)
念願のフィッシュアンドチップス。けっこう大きいです。タツノオトシゴを模した紙がかわいい。特に感動する味ではないですが、白身魚の肉質は非常にやわらかく、満足。
せっかくなのでカフェにも行きました。訪れたのは「Pigeon Whole Bakers」。名前にベイカーとあるだけあって、パンやペストリーが絶品と評判のカフェらしいです。平日でしたが、たくさんのお客さんで賑わっていました。
フラットホワイトとパンオショコラを注文しましたが、どちらも美味。特にパンオショコラはバターがしっかり香るもので、非常に美味しかったです。
腹も満たされたので、「BREW TAS」へ。ここは、家でビールやサイダーといった醸造酒を造る「ホームブルーイング」に必要な材料を販売しているお店。
ホームブリューイング専門店?は日本では馴染がない(というか存在しない)ものですが、オーストラリアではそこまで珍しいものではないようです。それもそのはず、日本では醸造酒を家で造るのは禁止されていますが、オーストラリアでは合法となっており(自家蒸留は禁止!)、家でビールやワイン、サイダーをつくる人も多いみたいです。
大麦や酵母、ホワイトスピリッツに添加するフレーバリングなど、日本では見たことがないものもたくさんありました。お酒好きには夢のような空間です!ちなみに大麦はスコットランド産とタスマニア産があり、ゴールデンプロミス種と書かれた大きな大麦の袋を見て一人興奮していましたw
スピリッツに浸漬してオークのフレーバーを付与するための、樽材の欠片(チップ状になったもの)が目についたので、購入しました。ウォッカかジンに漬けてみる予定です。
続いて、ラーク蒸留所のセラードアへ。
セラードアは、さきほど紹介したカフェ「Pigeon Whole Bakers」のすぐ近くにあります。(ちなみに、蒸留所自体はホバートの中心地から車で15~20分ほど離れたところにあり、徒歩でのアクセスは難しいです。)
ラーク蒸留所は、タスマニアウイスキーの始祖ともいえる蒸留所で、1992年に創業されました。今でこそ、タスマニアには50を超えるウイスキー蒸留所がありますが、かつては飲酒による社会問題により、1839年に度数の高い蒸留酒の製造が禁止され、約150年もの間、ウイスキーは造られていませんでした。
禁止がいつ頃解除されたのかは不明ですが、ラーク蒸留所が創業される前まで、蒸留所設立に関する厳しい規制(2200ℓ以上の蒸留器が必要など)が存在していたといいます。
地元政府に規制緩和を働きかけ、153年ぶりに酒造免許を取得したビル・ラーク氏によって1992年に創業したのが、ラーク蒸留所です。
ラーク蒸留所は、タスマニアの大麦、水、そしてピートを存分に生かしたウイスキーを造っており、現在はオーストラリア国内だけでなく、世界から高く評価を受けています。
タスマニアは高品質なピートがとれることで有名で、スコットランドのものと比べて軽やかで、フローラルな特性をもつとされています。タスマニアのピートを用いている蒸留所はタスマニアでも多くはなく、ラーク蒸留所とベルグローブ蒸留所など、片手で数えるほどしかありません。
ラーク蒸留所では、多様なラインナップのウイスキーがあり、セラードアではそれらをテイスティング(有料)することができます。
ラーク蒸留所のウイスキーは、ほかのオーストラリアのウイスキーと比べて高価なものが多く、「ラグジュアリー性」を強調しています。シングルカスクや特別な樽で熟成したシリーズは生産量が非常に少ないものも多く、また国際的なコンペティションでは多数の賞を受賞していることもあり、オーストラリアのウイスキーラヴァーからは、「オーストラリアのラグジュアリーなウイスキー」という認知をされているそうです。
2022年3月21日に発売された「レガシーカスク #HHF587A」は20年モノのカスクストレングスで、なんと500mlボトルでお値段AUD$2,500!(さらに驚くことに、これよりも高いラインナップも存在します!)
セラードアでは高額なウイスキーもテイスティングできますが、今回はスタンダードなテイスティングコースを選びました。
・CLASSIC CASK
・CHINOTTO CITRUS CASK
・TASMANIAN PEATED
全て、500mlボトルで購入するとAUD$200のもので、ラークウイスキーとしてはリーズナブルなラインナップに入ります。
今回テイスティングした中での白眉は「TASMANIAN PEATED」。ふんわりと優しく香るピートに、ミルクチョコレートやオレンジのようなニュアンスが感じられました。タスマニアのピートが、スコットランドのそれとは違うことがよく分かる一杯!
ブランデーもあったので、テイスティングしてみることに。面白いことに、どこかアルマニャックのような要素がありました。
さて、ラーク蒸留所のセラードアを後にし、少し小腹が空いたのでまた港に戻ることに。先ほどの「MURES」の近いところにあるフィッシュアンドチップス専門店「FLIPPERS」で、最後のフィッシュアンドチップスを食らうことにしました。
ここも負けず劣らず人気のお店のようで、テイクアウトのみ。フィッシュアンドチップス専門店だけあって、魚の種類やフィッシュの形状?も選べるようになっていました。
味は「MURES」と同じく、やわらかい白身魚。形状は、ふつうのがいいかな・・。ポテトの味はいたって普通。
フィッシュアンドチップス以外のシーフードを食らいたい気持ちをおさえ、空港へ向かうことに。
大満足のタスマニア旅行。
オーストラリアに行くまで、まさか自分がタスマニアに行くことになるとは思ってもみませんでした。まだまだ、訪問したいウイスキー蒸留所が山ほどあるので、絶対に再訪したいと思います。