焼酎×コーヒーの可能性について

今回の記事は、アイリッシュコーヒーではなく、焼酎×コーヒーの可能性についての私の自論を書きます。

結論から述べると、焼酎とコーヒーは、それぞれの個性を吟味すれば、非常によく合います。

洋酒とコーヒーを合わせるよりも、はるかに摩訶不思議で面白い味わいが生まれるんですね。



焼酎×コーヒーの可能性を述べる前に、一度スタンダードな洋酒×コーヒーのカクテルについて、解説していきます。

洋酒×コーヒーの代表カクテルはなんといっても、私が愛してやまないアイリッシュコーヒー。


CAFE SACHER Irish Coffee
ウィーンの「Café Sacher(カフェ ザッハー)」にて。
撮影(2020/03)

アイリッシュコーヒーとは何か。一般的なレシピは下記の通りです。


 ▼アイリッシュコーヒーのレシピ

 アイリッシュウイスキー / コーヒー / 生クリーム / 砂糖(シロップ)


レシピによっては、砂糖(シロップ)ではなく、ハチミツやシェリー酒を代用することもありますね。

要するにアイリッシュコーヒーは、アイルランドのウイスキーである”アイリッシュウイスキー”を使用したカクテルなんです。



このアイリッシュウイスキーを違うお酒に変えると、カクテルの名前も変わります。
※アイリッシュコーヒーのベースを変える、という言い方をよくします。



    アイリッシュコーヒーのベース「アイリッシュウイスキー」を他のお酒に変えた場合

  • 「カルヴァドス」を使用した場合    : ノルマンディーコーヒー
    ※「カルヴァドス」…フランスのノルマンディー地方でつくられるリンゴ(と洋ナシ)のブランデー
  • 「スコッチウイスキー」を使用した場合 : ゲーリックコーヒー
  • 「バーボン」を使用した場合      : ケンタッキーコーヒー
  • 「ラム酒」を使用した場合       : ジャマイカンコーヒー
  • 「アクアヴィット」を使用した場合   : スカンジナビアンコーヒー
    ※「アクアヴィット」…ジャガイモを主原料とした蒸留酒

アイリッシュコーヒーほどメジャーではないですが、上述したように、洋酒とコーヒーをあわせたカクテルは数多く存在するんです。

癖の強いイタリアの銘酒グラッパを使用したコーヒーカクテルもあったりします。



しかし、和酒とコーヒーのカクテルはどうでしょう。

飲んだことはおろか、聞いたことすらほとんどないかもしれません。

私ももっぱら洋酒とコーヒーのカクテルしか飲んでいなかったので、気にも留めなかったのですが、、、



とある1軒のお店で、焼酎とコーヒーのカクテルを飲んでから、和酒×コーヒーの面白さに気付かされました。


COFFEE&BAR Bontain 外観

多くのスペシャリティコーヒーやコーヒーカクテルがいただける名古屋 『コーヒー&バーボンテイン(COFFEE&BAR Bontain)』 でいただいた、焼酎カクテル“華どり ゲイシャ”

この一杯が私に衝撃を与え、焼酎×コーヒーの可能性に気付かせてくれたんです。


華どり ゲイシャ ¥1,500

COFFEE&BAR Bontain 華どりゲイシャ
撮影日(2021/07)

レシピは、下記の通り。



 ▼ “華どり ゲイシャ”のレシピ

 紅芋華どり(小玉醸造) / ドリップコーヒー(コスタリカ ゲイシャ) / アガベシロップ


アイリッシュコーヒーのように生クリームは使わず、焼酎とコーヒー、そしてアガベシロップという、非常にシンプルな構成。


COFFEE&BAR Bontain メニュー

しかし、ただのコーヒーの焼酎割ではありません。

焼酎の個性がしっかりと感じられるだけでなく、マスクメロンに似たジューシーな甘みが感じられんです。

豊かで芳醇な甘みのある焼酎と、繊細でフローラルなアロマを持つゲイシャが一体になり、それをアガベシロップの甘味が全体のバランスを補正した結果、マスクメロンのようなリッチな甘みが現れるのかもしれません。

洋酒とコーヒーのカクテルで、ここまで面白いマリアージュは演出できないでしょう。



ちなみにこのカクテルに使用されている焼酎は「 紅芋華どり(小玉醸造) 」。


COFFEE&BAR Bontain 焼酎
紅芋華どり
容量:300ml
アルコール度数:44~45%

宮崎オリジナルブランドのサツマイモ“宮崎紅”を使用した焼酎で、蒸留時に一番初めに垂れてくる部分のみを集めたものだそう。

だから“華どり“なんですね。

すごく贅沢な焼酎であることが分かります。

ストレートでいただくと、可憐で繊細なアロマに相反して、芳醇で濃厚な甘みがあります。

私が今まで飲んだ焼酎とはまるで違う、別次元のポテンシャルを持った焼酎だと感じました。



コーヒーも、非常に希少で、それゆえに高価なゲイシャを使用しています。

豆の特性からして、朝煎り~中深煎りなので、個性が非常によく出ています。

深煎りの苦味の強いコーヒーだと、華どりの個性が負けてしまうと思いますが、繊細なゲイシャであれば、互いの個性が生きてるんですね。



焼酎×コーヒーの可能性を感じさせる、面白い一杯でした。

たまにはアイリッシュコーヒー以外のコーヒーカクテルをいただくのも、非常に勉強になります。

焼酎とコーヒーを合わせるのは楽しいですね。

この記事を読んでくれた方にも、焼酎(和酒)×コーヒーの可能性を少しでも感じてもらえたら嬉しいです。

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