今回の記事は、アイリッシュコーヒーではなく、焼酎×コーヒーの可能性についての私の自論を書きます。
結論から述べると、焼酎とコーヒーは、それぞれの個性を吟味すれば、非常によく合います。
洋酒とコーヒーを合わせるよりも、はるかに摩訶不思議で面白い味わいが生まれるんですね。
焼酎×コーヒーの可能性を述べる前に、一度スタンダードな洋酒×コーヒーのカクテルについて、解説していきます。
洋酒×コーヒーの代表カクテルはなんといっても、私が愛してやまないアイリッシュコーヒー。
アイリッシュコーヒーとは何か。一般的なレシピは下記の通りです。
▼アイリッシュコーヒーのレシピ
アイリッシュウイスキー / コーヒー / 生クリーム / 砂糖(シロップ)
レシピによっては、砂糖(シロップ)ではなく、ハチミツやシェリー酒を代用することもありますね。
要するにアイリッシュコーヒーは、アイルランドのウイスキーである”アイリッシュウイスキー”を使用したカクテルなんです。
このアイリッシュウイスキーを違うお酒に変えると、カクテルの名前も変わります。
※アイリッシュコーヒーのベースを変える、という言い方をよくします。
- 「カルヴァドス」を使用した場合 : ノルマンディーコーヒー
※「カルヴァドス」…フランスのノルマンディー地方でつくられるリンゴ(と洋ナシ)のブランデー - 「スコッチウイスキー」を使用した場合 : ゲーリックコーヒー
- 「バーボン」を使用した場合 : ケンタッキーコーヒー
- 「ラム酒」を使用した場合 : ジャマイカンコーヒー
- 「アクアヴィット」を使用した場合 : スカンジナビアンコーヒー
※「アクアヴィット」…ジャガイモを主原料とした蒸留酒
アイリッシュコーヒーのベース「アイリッシュウイスキー」を他のお酒に変えた場合
アイリッシュコーヒーほどメジャーではないですが、上述したように、洋酒とコーヒーをあわせたカクテルは数多く存在するんです。
癖の強いイタリアの銘酒グラッパを使用したコーヒーカクテルもあったりします。
しかし、和酒とコーヒーのカクテルはどうでしょう。
飲んだことはおろか、聞いたことすらほとんどないかもしれません。
私ももっぱら洋酒とコーヒーのカクテルしか飲んでいなかったので、気にも留めなかったのですが、、、
とある1軒のお店で、焼酎とコーヒーのカクテルを飲んでから、和酒×コーヒーの面白さに気付かされました。
多くのスペシャリティコーヒーやコーヒーカクテルがいただける名古屋 『コーヒー&バーボンテイン(COFFEE&BAR Bontain)』 でいただいた、焼酎カクテル“華どり ゲイシャ”。
この一杯が私に衝撃を与え、焼酎×コーヒーの可能性に気付かせてくれたんです。
華どり ゲイシャ ¥1,500
レシピは、下記の通り。
▼ “華どり ゲイシャ”のレシピ
紅芋華どり(小玉醸造) / ドリップコーヒー(コスタリカ ゲイシャ) / アガベシロップ
アイリッシュコーヒーのように生クリームは使わず、焼酎とコーヒー、そしてアガベシロップという、非常にシンプルな構成。
しかし、ただのコーヒーの焼酎割ではありません。
焼酎の個性がしっかりと感じられるだけでなく、マスクメロンに似たジューシーな甘みが感じられんです。
豊かで芳醇な甘みのある焼酎と、繊細でフローラルなアロマを持つゲイシャが一体になり、それをアガベシロップの甘味が全体のバランスを補正した結果、マスクメロンのようなリッチな甘みが現れるのかもしれません。
洋酒とコーヒーのカクテルで、ここまで面白いマリアージュは演出できないでしょう。
ちなみにこのカクテルに使用されている焼酎は「 紅芋華どり(小玉醸造) 」。
宮崎オリジナルブランドのサツマイモ“宮崎紅”を使用した焼酎で、蒸留時に一番初めに垂れてくる部分のみを集めたものだそう。
だから“華どり“なんですね。
すごく贅沢な焼酎であることが分かります。
ストレートでいただくと、可憐で繊細なアロマに相反して、芳醇で濃厚な甘みがあります。
私が今まで飲んだ焼酎とはまるで違う、別次元のポテンシャルを持った焼酎だと感じました。
コーヒーも、非常に希少で、それゆえに高価なゲイシャを使用しています。
豆の特性からして、朝煎り~中深煎りなので、個性が非常によく出ています。
深煎りの苦味の強いコーヒーだと、華どりの個性が負けてしまうと思いますが、繊細なゲイシャであれば、互いの個性が生きてるんですね。
焼酎×コーヒーの可能性を感じさせる、面白い一杯でした。
たまにはアイリッシュコーヒー以外のコーヒーカクテルをいただくのも、非常に勉強になります。
焼酎とコーヒーを合わせるのは楽しいですね。
この記事を読んでくれた方にも、焼酎(和酒)×コーヒーの可能性を少しでも感じてもらえたら嬉しいです。