東京で、ここまで歴史の深みをまとった喫茶店をブログ主は他に知りません。荻窪にある「邪宗門」は昭和30年創業という、まさに老舗中の老舗。
荻窪駅北口から徒歩1分という便利すぎる場所に、こんな古い喫茶店が残っているなんて、本当に不思議です。そして残念ながら、2025年12月末頃(※正確な時期は不明)にクローズするとのこと。商店街の再開発に伴う移転だそうです。

あの独特の“味わい”を丸ごと新しい場所に持っていけるわけでもなく、移転後にどんなお店になるのかも分からないと思うと、どうしても少しもの悲しさがこみ上げてきます。
扉を開けるとまず注文&会計のカウンターが迎えてくれ、客席へは2階へと上がっていくつくりになってます。
2階へ続く階段がまた驚くほど急で、まるで秘密基地へ通じる隠し通路のような小ぶりさなんです。ちょっとしたスリルと遊び心が同居していて、「大丈夫かな…いや、むしろ楽しいぞ」と毎回胸が高鳴るのはブログ主だけではないはず。(ただしアイリッシュコーヒーの飲み過ぎには注意しましょう、踏み外したらオワリます。)
階段を登りきった先には、アンティークの照明や味わい深い調度品、昔の漫画やヴィンテージ家電がさりげなく並び、昭和の空気が今もそのまま残っています。
置かれているスピーカーは、パナソニックではなくナショナル表記なのは当たり前。これがまた店の雰囲気に完全に溶け込んでいて、時代の流れをそのまま切り取ったような光景です。
令和の東京に、こんな喫茶店がまだ存在していること自体が奇跡のようで、訪れるたびに不思議な気持ちになります。
メニューを見るとバリエーションコーヒーのラインナップが豊富です。「ベネディクティンコーヒー」を置いている喫茶店に初めて出会いました。
「ベネディクティン」はフランスの修道院で生まれたハーブ系リキュールです。およそ27種類のハーブやスパイスをブレンドした甘めの味で、けっこう個性的。クセがあるので、好き嫌いが分かれるかもしれません笑。
いろいろと気になるものが多いですが、注文するのは決まってアイリッシュコーヒーです。
アイリッシュコーヒー ¥900

荘厳なデザインのフルートグラスで登場。鈍く光る銅色の装飾がなんとも美しい佇まいです。
金属の持ち手はしっかり熱々なので、おしぼりで包みながらいただきました。この装飾のある持ち手とグラス本体はセパレート式なので、うっかり傾けすぎないよう注意です!
生クリームはなめらかで、量もしっかり。生乳感は控えめですが、丁寧に仕上げられた美味しいクリームです。味わいのバランスもよく、どこか豆の優しい甘みがふわっと立ち上がるような、ほっとする一杯でした。
使われていたアイリッシュウイスキーはジェムソン。
ウイスキーの麦の香りが心地よく広がり、アルコール特有のツンとした刺激はまったくと言っていいほど感じません。まろやかで、冬の夜にぴったりの味わいです。

昭和にタイムスリップしたような空間でいただくアイリッシュコーヒーは格別です。
次に訪れるときは、ルシアンコーヒーを頼んでみたいところです。もちろん、寒い季節に。