チェコ滞在も、いよいよ最終日。
2泊の滞在で5軒のカフェを回れたので、満足……とは正直まだいかないので、もう1軒。
ホテルのチェックアウトは11時。フライトの都合上、チェックアウト後はすぐに空港へ向かわなければなりませんでした。
ちょっと慌ただしい最終日の朝ですが、プラハ最後のモーニングには、やはりアイリッシュコーヒーを。
ということで、ずっと行ってみたかったカフェへ行ってまいりました。

プラハ1区にある、1914年創業のグランドカフェ「Café Imperial」。
5つ星ホテル「アート・デコ・ホテル・インペリアル(ART DECO IMPERIAL HOTEL)」に併設された、アール・ヌーヴォーの意匠を残す老舗カフェです。なんと毎日7時から営業しています!
かつてはマサリク大統領やカフカ、ヤナーチェクらを迎えたこのカフェも、第二次大戦中にはドイツ軍将校に好まれ、次第にチェコ人の姿は遠のいていったといいます。
共産党政権下では建物が労働組合の手に渡り、一時は閉鎖。所有関係が曖昧なまま荒廃が進み、ホステルとカフェが再び営業を始めたのは2000年頃。2005年末から本格的な改修が始まり、煙草の煙にくすんでいたタイルも、いまの美しい姿を取り戻しました。
華やかな装飾の奥には、激動の時代をくぐり抜けてきた時間がある。プラハの老舗カフェには、美しさだけではない、静かな歴史の陰影が残されています。

店内に入ってまず驚かされるのが、壁を覆う釉薬タイルの美しさ。
モチーフはエーゲ海の古代美術、エジプト、オリエントに由来し、カフェ部分はムーア様式風に装飾されています。
東方趣味漂う店内ですが、その背景には、当時エジプトやメソポタミアの発掘が話題になり、近くのプラハ本駅からオリエント急行が出ていた時代の空気があります。ホテル名には「アート・デコ」と冠されていますが、当初の狙いはキュビズムよりも、当時の流行でもあった東洋趣味だったのかもしれません。東洋趣味の趣がアール・ヌーヴォーのエッセンスと融合したような幾何学的モダンはなんともユニークで、他のプラハのカフェとは少し異なる趣があります。
チェコ滞在最後の一杯。一体どんなアイリッシュコーヒーをいただけるのでしょうか。
Irish Coffee 115czk

芸術品のように美しいアイリッシュコーヒーです。
一般的(?)には、生クリームとコーヒーがしっかりと分離している状態が好ましいとされていますが、これはこれで実に神秘的。どこか生命力すら感じさせます。
上から生クリームをのぞき込むと、金色に輝く砂糖が煌めいている…。
一口飲んでみると、まず驚かされたのがウイスキーの風味。
しっかりとした陶酔感がありました。朝にいただくには、少々ヘビーかもしれません。
使用されているアイリッシュウイスキーは「ジェムソン」とのことでした。
生クリームは口当たりがやさしく、しっかりホイップされているものの、コーヒーによく馴染みます。(というか、すでにかなり混ざっています。)
コーヒー自体は特別に美味しいというわけではありませんが、見た目にも楽しく、味のバランスもよくまとまったアイリッシュコーヒーでした。

アイリッシュコーヒーとは別に、ウイスキーベースのカクテル、マンハッタンも注文。
朝からアイリッシュコーヒーとマンハッタン、しっかりとアルコールを摂取し、ホテルへ戻ってチェックアウトを済ませ、いよいよプラハを後にしました。
ちなみにここは食事やケーキも有名で、何かのランキング(雑で失礼!)にもたびたび登場するそうです。
スヴィーチコヴァー(牛肉のクリームソース)とシュニッツェルが特におすすめだと、隣に座っていた常連と思しき方から教えていただきました。
次は食事も楽しみたいところです。……こういうこと、毎回言っている気がします。




