第5回目となるオススメのお酒を紹介するコーナー。今回は、私の愛してやまない「島梟」という国産ブランデーを紹介します!
みなさんは日本のブランデーを飲んだことはありますか。ブランデーといえば、コニャックやアルマニャック、そしてカルヴァドスといったフランス産のものを想起する方が多いかもしれませんが、日本でもブランデーをつくっています。
「島梟」は、国分北海道と、ワイン城で知られる「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」が共同で開発した十勝ブランデーです。北海道・帯広駅からバスで一時間ほどの場所にある「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(ワイン城)」では、ワインだけでなく、ブランデーもつくられています。
「十勝ワイン」は、今まで聞いたことがある方も多いかもしれません。十勝ワインが誇る独自のブドウ品種「山幸」「清見」「清舞」を名前に関したワインは、北海道だけでなく、本州でも酒屋やスーパーでたまに目にしますね。在来種の山ブドウを父系としている「山幸」のワインを初めて飲んだときは、その力強い酸味と野趣あふれるハーブやスパイシーな香りに驚きました。
十勝ワインに共通しているのは、品種やブランドによって強弱・程度の差はあれ、しっかりとした酸味があることです。寒冷な気候で育ったブドウは総じて酸味が強くなります。そして、糖分が低く酸味の強いブドウは、ブランデーに適しているといわれます。フランスのコニャックもアルマニャックも、酸味の強い白ブドウを用いてブランデーをつくることで有名です。
蒸留器は、コニャックで使用されるシャラント式のものを使っています。ワイン城に展示されていました(下)。
(十勝ワインや、島梟以外の十勝ブランデーもいろいろ試飲したので紹介したいところなのですが、本題から外れてしまいそうなので、別記事に書くことにします。)
さて、島梟に話を戻します。十勝ブランデー「島梟」は、通常、北海道内のみで販売されています。なので、道民でない方は、北海道に行って購入するか、ネットで買うかしかありません泣
ラインナップは、スタンダート品の「十勝ブランデー北海道熟成30年」のほか、ノンチルフィルター&シングルバレルの「十勝ブランデー原酒1992」「十勝ブランデー原酒1989」、そして酒精強化ワインのシリーズもあります。いずれも、流通量が限られているレアなものなので、なかなかお目にかかれません泣。(完売しているラインナップも多いです。)
私は秋田のBARで「1987原酒」を飲んでドはまりしてしまい、それからはネットショップや百貨店で何度か購入して飲んでいます。
下に紹介しているのは、「島梟 十勝ブランデー 北海道熟成30年」。立派な箱に入っています。箱を開くと、十勝ブランデーの歴史が日本語と英語で書かれており、海外にも積極的に商品を打ち出していこうという意図が見れました。(無かったらすみません!)
まさにその通り!!
開栓したてのときは、香りも味もガチガチに閉じていましたが、1カ月、2カ月と月日が経つにつれて、みるみるうちに香りは花開き、味わいも芳醇になっていきました。フランスのコニャックやアルマニャックとも異なる、素晴らしい日本のブランデーを皆さんも一度試してみてほしいと思います。
十勝ブランデーの「島梟 熟成30年」は、北海道で育ったブドウを100%使って、リムーザンオークの樽で30年以上熟成させた原酒のみを使用したブランデーです。
ブドウの品種は、北海道産の「キャンベル」や池田町産「清見」のほか、北海道産「ナイヤガラ」も使用しているそうです。黒ブドウと白ブドウを両方使用しているのは、とてもユニークだと思いました。
【テイスティングコメント】
□香り:花の香り。綺麗な酸がのったコケモモやスモモ。レーズン香にザラメ。リンゴのコンポート。日本家屋。程よい樽香。(北海道産ということにひっぱられているのかもですが、富良野のラベンダー畑を思いだしました!←本当です。)
□味:スパイスのかかったフルーツ。懐かしいキャンディ。ビターチョコレートのニュアンスもあり、程よくオーキー。アルコールを感じさせない、角のない穏やかな酒質。水平線のような余韻がある。
□総評:開栓したては香り、味ともにガチガチだったが、数が月を経てからは素晴らしいブランデーに見事に化けた。
グラッパグラスで飲むと、フルーツの甘い香りを拾いやすくなりました!味わいも、ソムリエシリーズのコニャックグラスで飲むより、ジューシーな感じ。グラッパグラス、オススメです!
余談ですが、池田ワイン城の最寄り駅「池田駅」付近には、野良猫がたくさんいました。哀愁漂うネコさんを下に貼っておきます。