タリバーディン。私に衝撃を与えたウイスキーでした。その存在はずっと知ってはいたものの、自分ではボトルを買ったことはなく、1万円を切るスコッチのオフィシャルボトルはかなり飲んできましたが、タリバーディンは今までバーで1、2杯飲んだだけ。特に印象にも残っていないのが正直なところでした。
ハイランドモルトって、正直アイラやスペイサイドに比べてやっぱり印象薄くて。ダルウィニーやオーバンなど一部を除いて、なかなか購入の選択肢に入らなかったんですよね。なぜ今回、タリバーディンを特集したかというと、私が以前勤めていた会社を退職した際にプレゼントしていただいたからです。
飲んでみてびっくり。ノンエイジもので、こんなに美味しいウイスキーは久々に飲みました。このウイスキーの魅力は、シェリーの良さをストレートでしっかりと堪能できるところ。コスパ最高のウイスキーですね。(いただきもので”コスパ”というワードを出すのはよくないですが・・・)
このウイスキーについて、少し真面目な説明をします↓
タリバーディン蒸留所は、1488年にビール(エール)醸造所として南ハイランドのブラックフォードに創業しました。ブラックフォードでは、「ハイランドスプリング」という天然水の産地としても知られており、この水を仕込み水としてウイスキーがつくられています。ウイスキーの蒸留所として稼働したのは、戦後の1946年。幾度となくオーナーが変わり、1994年には一度閉鎖(休止)するなど、紆余曲折のある歴史をたどっています。2003年に個人投資家グループが本蒸留所を購入し、2011年にはメゾン・ミッチェル・ピカールの子会社であるテロワール・ディスティラリーズに買収され、現在はフランス資本の蒸留所になっています。
タリバーディンの最大の強みは、ピカール傘下のワイナリーから樽材を入手できることだと思います。ブルゴーニュカスクで後熟させた「タリバーディン 228 バーガンディカスクフィニッシュ」や、ソーテルヌカスクで後熟させた「タリバーディン 225 ソーテルヌカスクフィニッシュ」は有名です。ちょっとこのシリーズについて調べたところ、ソーテルヌカスクは、かの有名な「シャトー・スデュイロー」を熟成させたものを使っているとのこと!贅沢ですね。
この「タリバーディン 500 シェリーカスクフィニッシュ」は、ファーストフィルのバーボンバレルで熟成させた後、500ℓのシェリーカスク(ペドロヒメネス)で12カ月間の後熟をさせています。ネームにある3桁の数字は、樽のサイズを表しているんですね。
【テイスティングコメント】
□香り:潮。リンゴ酢。僅かにゴム。上品な香り立ち。後からカスタードクリームのような甘い香り。
□味:ザ・シェリー樽なレーズン。蜂蜜やバニラ。若干のマンダリンオレンジ。程よくオーキー。40度の割に飲みごたえがあり、陶酔感がある。
□総評:ストレートでシェリーの良さを楽しめる1本!シェリー樽とバーボン樽の良さが見事に同居している。
飲み手に素直に美味い言わせる実力があります。他のラインナップも是非試してみたい!!