高幡不動にある老舗喫茶店「珈琲はうす あんず村」。
創業は1980年。長い歴史を持つ、地域に根付いた喫茶店です。

肘をつきながらコーヒーを淹れている、ちょっとだけ行儀の悪い猫と目が合いました。
そんな愛嬌のある(ちょっとやさぐれた)猫に見送られながら、年季を感じさせる階段をのぼって、いざ2階のお店へ。

看板のロゴにも猫があしらわれていましたが、店内に入ってみると、いたるところに猫、猫、猫。
あちらこちらに猫が潜んでいます。

ぽってりとした木のテーブルの上には、“バリ猫風”な日本猫の置物が。
どこか異国情緒がありながら、よく見るとしっかり日本猫。そんなちょっと不思議な佇まいが、なんとも愛らしいです。

木のぬくもりを全身で感じられる店内には、いかにも昭和の喫茶店といった風情の古めかしいアイテムが、こだわりを感じさせるようにあちらこちらに置かれています。
こうした空間づくりだけでなく、お店のこだわりはフードやドリンクにもあるそうで。

地元の無農薬野菜をはじめ、国産食材を使ったメニューを数多く取り揃えているそうで、かなりの健康志向。食材から調理に至るまで、「食」へのこだわりを感じます。
パスタやトースト、カレー、ハッシュドビーフなど、喫茶店らしいフードメニューが豊富ですが、すべて化学調味料は不使用。国産・地元の有機栽培野菜など、素材を厳選し、丁寧に仕上げているのだとか。
ここまで食にこだわる喫茶店は非常に珍しいのではないでしょうか。
アイリッシュコーヒー ¥800

使用するお酒は、アイリッシュウイスキーではなく、リキュールの「アイリッシュミスト」。
アイリッシュミスト由来のハーブやハチミツを思わせる独特の甘みが、深煎りのコーヒーのほろ苦さの中から、ふっと顔をのぞかせます。

コーヒーの苦みと、アイリッシュミスト、砂糖による甘みのバランスが実に良く、甘みはしっかりと感じられるものの、決してくどくありません。
甘みの主張が強めのアイリッシュミストコーヒーですが、くどさ・重たさはなく、最後の一口まで美味しくいただきました。

アイリッシュコーヒー以外にも、お酒のメニューがいくつかありました。
あんずを漬け込んだ「自家製あんず酒」に、ハートランド、ニッカの竹鶴など、なかなか渋い(?)ラインナップ。
夜も営業されているので、喫茶店としてだけでなく、食事とお酒を楽しむレストランとして利用するのもよさそうです。

喫茶店でいただく美味しいお酒は、格別です。
思索に耽る、至福のひととき。静かな店内でグラスを傾けていると、時間そのものに深く沈み込んでいくような感覚がたまりません。
喫茶店でアイリッシュコーヒー(アイリッシュミストコーヒー)を飲み終えたあとの余韻は、上質な小説を一冊読み終えたときの感覚に、どこか似ている気がしませんか。
すぐに次の何かへ向かうのではなく、しばらくその余韻の中にいたくなる。そんな時間です。





