コーヒー・喫茶店好きであれば知らぬ人はいないであろう「但馬屋珈琲店」。
以前はジャコウネコの糞からとれる高級コーヒー「コピルアク」をいただけることでも知られていましたが、とある団体(?)がコピルアク取り扱い停止を求めて店の外で抗議をしたことが話題になっていました。
ジャコウネコがコーヒーチェリーを食べ、その消化過程を経て排泄された豆を使用する高級コーヒーの代名詞ともいえるコピルアクですが、ジャコウネコを捕獲して非常に劣悪な環境で生産していることが問題視されており、コーヒーに詳しい方曰く、今では「天然の」コピルアクは皆無だそう。現在、「但馬屋珈琲店」ではコピルアクの取り扱いはしていないそうです。

新宿西口の「思い出横丁」にある本店は50年以上の歴史があります。昔ながらの風情を残す飲食店街である「思い出横丁」は、戦後の混乱期、焼け跡に立ち並んだ闇市が起源。今では細い路地に、焼き鳥や串カツ、居酒屋など多様なジャンルの飲食店が軒を連ねて活気がありますが、どこか退廃的な空気を感じるのは私だけでしょうか。(下の写真は曇天の日に撮影したため、意図せずして哀愁が漂っています・・・)

1964年に「純喫茶エデン」として開業し、1987年に「但馬屋珈琲店」として生まれ変わった本店。その名前は、創業者の故郷である兵庫県但馬地方に由来しています。現在、新宿のある本店のほか、吉祥寺・池袋・東京(京橋)に店舗を展開し、多くの人々に親しまれています。
「但馬屋珈琲店」では、直火焙煎による深煎りコーヒーを提供しています。火加減の調整が難しいとされる直火式焙煎ですが、その手法ならではのスモーキーな風味が特徴です。こだわりのコーヒー豆は、店舗だけでなくオンラインショップでも購入可能で、自宅でも本格的な味わいを楽しむことができます。

木造建築の店内には、高級感あふれる西洋ブランドのカップ&ソーサーがずらりと並び、その洗練されたデザインが目を引きます。一方で、店内全体は大正ロマンを彷彿とさせる和風の趣で統一されており、木の温もりが漂う空間が広がっています。この対照的な要素が絶妙に調和し、どこか懐かしくも新しい雰囲気を生み出しているのがスゴイ。
どこかユニークで珍しい調度品がさりげなく点在しており、この喫茶店を他にはない特別な場所に仕立てているように感じます。
アイリッシュミストコーヒー

アイリッシュミストコーヒーは、「ホット」か「アイス」を選ぶことができました。
この日はうだるような猛暑だったので、何の迷いもなく「アイス」を注文。濃厚でしっとりとした生クリームはひんやりとした冷たさがあり、暑い日に飲むのにぴったりです。
水出しコーヒーのようなさっぱりとした味わいの中に、深煎りならではのしっかりとしたコクを感じます。
使用されているお酒はアイリッシュウイスキーではなく、「アイリッシュミスト」というリキュールです。ほのかなハーブとハチミツのニュアンスがあります。
非常にバランスの味わいがとれていて、コーヒーと生クリーム、そしてアイリッシュミストが三位一体となって、見事な味わいのハーモニーを奏でています。。

ブレンドコーヒー。30年以上変わらない「特選オリジナルブレンド」と書いてありました。コロンビア、ブラジル、エチオピア、グアテマラの豆をそれぞれ焙煎してからブレンドしているそうです。ネルドリップですが、思いのほかあっさりした味わい。

プリンマダム。卵感の強いかためプリンで、美味しかったです。「但馬屋珈琲店」はスイーツメニューも非常に充実しており、「老舗のどら焼き」や「珈琲ぜんざい」といった和のスイーツや、アップルパイ、そして「横丁サバラン」といった少し変わったものもまでありました。「思い出横丁」をイメージしたサバランらしく、自家製のコーヒー蒸留酒をかけて食べるそうです。(とても気になる)
常連のお客さんも多い喫茶店ですが、常連ではない私もリラックスできる素敵なお店です。


