『カフェ・コマーシャル(Café Comercial)』は、おそらくスペインの首都・マドリード最古のカフェだと思います。前回紹介したカフェ・ヒホン(Café Gijón)は1888年創業ですが、こちらはそれより1年早い1887年にオープンしています。
詩人や画家をはじめとする多くの著名人が集った文学的サロンとして、長きにわたり文化の香りを育んできました。1953年には大規模な内装改修が行われ、その後、2015年に惜しまれつつも128年の歴史にいったん幕を下ろします。

しかし、建物は最上級の保護対象(レベル1)に指定され、伝統を尊重した改修を経て、2017年3月27日に再びその扉を開きました。歴史ある空間が、こうして新たな命を得たのは本当に喜ばしいですね。
お店は「カフェ」というより、どちらかというとレストラン寄りの雰囲気で、コーヒーだけを飲んでいる人はあまり見かけませんでした。外観も内観も、高級ホテルのレストランを思わせる佇まいですが、値段は思ったより良心的。アイリッシュコーヒーは6ユーロでした。

シュガーの有無を聞かれNoと答えましたが、ふわっと手ごね感のある生クリームとコーヒー、どちらも甘みが感じられて、別添えのシュガーは必要なかったと感じました。

ウイスキーはちゃんと効いていて、最後にアルコールのパンチがズンときます。ヨーロッパのアイリッシュコーヒーはたいていウイスキーがたっぷり入っていることが多いのですが、ここはやや控えめ寄り。とはいえ、ちゃんと入ってました。
使われていたウイスキーはジェムソン。この物価高のご時世でもまだ比較的お手頃で手に入るありがたい存在です。
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一緒に頼んだサンドイッチも美味しかったです。




