別府。「血の池地獄」は実際に浸かることができる、赤くて綺麗な温泉だと思っていた時代もありました。(もちろん浸かれません。湯音はおよそ78度。)
ご存じの通り、別府は日本一の温泉地。有する温泉資源のスケールは規格外で、源泉数は2,800を超え、そこから毎分80,000リットル以上の温泉が湧き出ています。

また、泉温の平均も日本一高く、多くの源泉が90〜100度に達します。総湧出量は毎分101,910リットルとされ、これは東京ドームの75%を1分で満たす量に当たるのだとか。
源泉数は世界一、湧出量は日本一とされ、人が入浴できる湧出量としては世界一!
そして、世界に11種類あるとされる泉質のうち、放射能泉を除く10種類が、人口およそ10万人の都市に揃っている。もはや「日本一の温泉地」という一言では収まらないスケール感ですね。
別府観光の代名詞である「地獄めぐり(注:入れない)」や、砂を掘るとそのまま温泉が出てくる「砂湯」が楽しめる鉄輪温泉、江戸時代から続く、湯の花(温泉成分の結晶)を作るための藁葺き屋根の小屋群が並び、独特の風景を形成している明礬温泉などなど、別府には実に多様な温泉文化が根付いています。
血の池地獄や海地獄に浸かる気満々だった世間知らず(一般常識知らず)とは思えないほど、別府とその温泉について詳しくなったアイリッシュコーヒー愛好家…。別府から帰宅したあと、かなり勉強しました。
さて、本題。
コーヒー好き、喫茶店好きならご存じの方も多い「グリーンスポット」。
看板メニューの「琥珀の女王」をはじめ、コーヒーメニューの多さにも定評があり、「グリーンスポット」目当てに別府の地を踏んだコーヒーラヴァーも、きっと少なくないはず。



別府公園のすぐそば、マンションの1階にひっそりと佇む、開業から40年以上続く隠れ家的な喫茶店です。初見でお店の場所を看破するのが難しいほど、外観はほとんど住宅そのもの。
店内には世界各国から集めた焙煎豆の袋が所狭しと積み上げられ、昔ながらの純喫茶らしい、落ち着いた空気が漂います。
アイリッシュウイスキーを想起させる「グリーンスポット」という店名は、初代店主の方が「公園一帯に広がる森の、緑の中の小さな点」と自らの店を表現したことに由来するそうです。

人気メニューの「琥珀の女王」。通(?)っぽい人は、よく「琥珀」と略して呼んでいるイメージがありますが、これは水出し(ダッチコーヒー)の一種です。
ルーツは、16世紀後半のオランダで考案された「クイーンズコーヒー」。準備に8時間、さらに水出し抽出に48時間という、気の遠くなるような工程を経て作られます。
グラスの中では、琥珀色のアイスコーヒーと濃厚な生クリームが美しい二層に分かれており、混ぜずに飲むことで、一口ごとに味わいの変化を楽しめるのが魅力。
コーヒーの香味を凝縮させたようなエキス感は、なんだかクセになります。

まだ普通のコーヒーが250円だった時代に、この一杯だけ700円という破格の値段で売り出したというエピソードからも、「本物」へのこだわりが伝わってきますね。

アイリッシュコーヒー。どこのカップ&ソーサーでしょうか。
使用されているお酒はアイリッシュミスト。
しっかりとした苦味のあるコーヒーとアイリッシュミストの甘みのバランスが良いですね。
余韻にはアイリッシュミストの蜂蜜思わせるニュアンスをほんのり感じられました。
(ちなみに、アイリッシュコーヒーはホットとアイスが選べました。琥珀の女王とブレンドコーヒーもいただいていたので、今回はホットのみ。)



喫茶店でケーキをはじめとするスイーツはあまり食べない派な私。そこまで甘党ではないし、アイリッシュコーヒーも甘いので。
ただ、ミルクレープがあると頼みたくなるんですよね。なんといっても、あの断面がイイ!
あと、ホットサンドも好きです。具材や焼き加減、パンの厚みなど、意外とお店ごとの個性が出るのが面白いのです。



観光地としての別府がある一方で、地元の人にとって温泉は特別なイベントではなく、生活の一部のよう。
数百円で入れる小さな共同浴場が住宅街のあちこちにあり、銭湯感覚で毎日のように通う人も多いというのが、別府らしいところ。
私も地元のリアルを体感すべく、小さな温泉(銭湯)に行ってみたはいいものの、かけ湯もせずに入るスタイルには正直、面喰らいました。(そこが特殊なだけかもしれない…。)




