【2023年】カルヴァドス旅行記Ⅵ(Pere Magloire)

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ノルマンディー滞在最終日。夕方頃に列車でパリに戻ることになっていた。
短い滞在ではあったが、すっかりノルマンディーの虜になってしまった自分。


ペールマグロワール(PERE MAGLOIRE)

今回、最後にまわる場所は、Calvados Père Magloire L’Experienceである。

Père Magloire(ペールマグロワール)はフランスでは非常に有名なカルヴァドスのブランドなのだが、ここ「Calvados Père Magloire L’Experience」はペールマグロワールの蒸留所ではなく、博物館・美術館のような場所で、Trip advisorをみると「専門美術館」と紹介されていた。


ペールマグロワール(PERE MAGLOIRE)

カルヴァドス蒸留所はポンレヴェック駅からやや遠いところが多く、どこかしこも徒歩で行くのは困難で、訪問には車が必要になるケースがほとんどなのだが、ここは私が滞在していたホテル(Hôtel SPA Le Lion d’Or)からとても近く、徒歩7分ほどのところにあった。

ここでは、音声ガイド付きの訪問型ツアーが体験できる。



音声は8か国語に対応しており、日本語も選択できるようになっていた。

1グループにつき、15名が参加できるツアーとなっている。


ペールマグロワール(PERE MAGLOIRE)

カルヴァドスの歴史や製法を、7つの異なるテーマの部屋に設置された大きなスクリーンを通して、体系的に学ぶことがである。

動画が終わると、次につながる扉が開く仕組みとなっている。

部屋はテーマにあわせて設えが異なっていて、まるでテーマパークのようだった。



ツアーは約60分ほど。

終わった後は、テイスティングルームに移動して美酒に酔いしれ、その後はお土産コーナーでショッピングを楽しむ、という流れとなる。



テイスティングはオシャレなカウンターで、立ち飲みスタイル。

英語が非常にご堪能(ネイティブかもしれない)なガイドの方が、ハロウィンのコスプレをして待っていた。(※写真掲載許可申請中!)


ペールマグロワール(PERE MAGLOIRE)

ここ「Calvados Père Magloire L’Experience」では、「ペールマグロワール(Père Magloire)」だけでなく、「ブラー(Boulard)」「ルコント(LECOMPTE)」の3種のブランドが楽しめる。

それぞれのブランドの特徴を簡単に下に記載しておく。


■ペールマグロワール(Père Magloire)

  • 1821年にポンレヴェックで創業
  • 同社のカルヴァドスはフランスにおいて販売数量がトップクラスに多く、知名度のあるブランドである。

■ブラー(Boulard)

  • 1825年、ブラー社創業。
  • サントリーが正規代理店として輸入販売しているため、日本で最も流通量の多いカルヴァドスである。(ペールマグロワールと比較すると、フランスではマイナーなブランドである。)

■ルコント(LECOMPTE)

  • 1923年創業の比較的新しいカルヴァドスブランド
  • パリのホテル・リッツの「バー・ヘミングウェイ」では、カルヴァドスをベースにするカクテルにルコント社の「カルヴァドス・オリジネル」を使用する。

「ペールマグロワール(Père Magloire)」「ブラー(Boulard)」、そして「ルコント(LECOMPTE)」はすべて、カルヴァドスで最も高品位とされるペイドージュ産のもの(ペールマグロワールはペイドージュ以外に、ドンフロンテ・カルヴァドスの3つの生産域でカルヴァドスづくりを行っている)である。


ペールマグロワール(PERE MAGLOIRE)

テイスティングルームでは、一通り上記3ブランドの説明を受けた後、1つずつテイスティングができる。

日本市場でなかなかお目にかからない貴重なものも多数あった。



上の写真は、サントリーが正規輸入をしているブラー。

グランソラージュ(2~5年熟成原酒使用)VSOP(4~10年熟成原酒使用)はよく日本市場でも目にするが、上の写真の右3つはなかなかお目にかからないものだ。

一番左のXO8~15年熟成の原酒をブレンドしたもの。比較的長熟なXOながら、そこそこ安価で手に入るため、カルヴァドスを飲んだことがない方にもオススメしたい。

ふくよかなリンゴの旨みが感じられるカルヴァドスで、ストレートでじっくりと楽しめる。


右の3本は少し変わり種で、「12-Barrel Collection」というラインナップで、カルヴァドス以外のスピリッツを熟成した樽で後熟したシリーズである。

左から、VSOP「WHEAT WHISKEY CASK FINISH」「RYE CASK FINISH」「BOURBON CASK FINISH」である。


また、ここにはないが、XO「Double Barrel Cask Finish」「Mizunara Oak Cask Finish」というラインナップも存在する。

このラインナップは非常に面白く、後熟した樽の個性が面白いほどはっきりと主張している。

カルヴァドスのリンゴの旨みと、樽特有のフレーバーが巧みに共存していて、ブレンドの妙というものがしっかりと感じられるエキサイティングなラインナップである。

ハードリカー通にオススメしたい。(日本でもわずかに流通しているので、気になる方は是非!)


室内が少し暗かったので、ISO感度を高くして撮影。ノイズがけっこう出ているか汗

ペールマグロワール。FINEはカルヴァドス(ペイドージュ、ドンフロンテ以外の地域)産で、VSOPXOは最高位のペイドージュ産である。

日本でも流通しているラインナップもあるが、なかなかお目にかかれないものも多数アリ。



ペールマグロワールとブラーに比べると新しいブランドとなるルコント。

オレンジ色のラベルが特徴である。

特徴を一言でいうと、スムースなカルヴァドス。

アロマも味わいも繊細で、力強さよりも複雑さが勝る印象を受けた。



余韻も水平線のように長く、自己を内省するときに飲みたい(・・・?)カルヴァドスであるように感じた。

ルコントは日本ではかなりマイナーなカルヴァドスブランドであるが、5年・12年・18年はわずかに楽天市場でも取り扱いがあるようだ。





上手く撮影できなかった汗

カルヴァドステイスティングの最後に、ブラーの長熟シリーズもご厚意でテイスティングをさせていただけることになった。

今までのブラーのボトルは縦長であったのだが、肩幅のあるボトルである。

名前は「XO オーギュスト」


創業者ピエール・オーギュストに敬意をこめてこの名になったという。

蜂蜜とリンゴの蜜の甘さが感じられる珠玉の一杯。一本買って、家でじっくりと向き合いたい。


激うまリンゴジュース

素晴しい美酒をたらふくいただいた後は、締めのリンゴジュース。

リンゴのジューシーな甘味に綺麗な酸がのっていて、とても美味しい。

日本で買えたらなあ・・としみじみ思う。



テイスティングを終えた後は、隣のお土産コーナーでショッピングタイム!

この日はハロウィンだったため、ハロウィン仕様になっていた。



ペールマグロワール、ブラー、そしてルコンテ。

あまりのラインナップの豊富さに、何を買っていいのか分からなくなってしまう(笑)

日本市場に(ほとんど)流通していないものも多く、欲しいボトルはたくさんあったのだが、財布事情もあり、カルヴァドスではないお土産を買うことにした。(別記事にて紹介予定)



とても楽しく充実したツアーだった。

ポンレヴェック駅からも近いため、カルヴァドスラバーでなくとも訪問を強くオススメしたい。


近くに少しだけ背丈の低いリンゴがなっていた。

お金をためて、次はルコントのミレジメを買うぞ・・



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